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【徹底検証】「アンプの王道」Marshallを改めて知る! Part2 ~Marshallヘッドラインナップ比較~

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③1959SLP

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Marshallの長い歴史の中、名機はキラ星のごとく存在しますが、この1959SLPの大元である1959はエドワード・ヴァン・ヘイレンのブラウン・サウンドを筆頭に数々の名演、名サウンドを生み出してきました。60年代末から発売され始めたとは思えないほどのしっかりとした歪みを得られるプリ回路は、今でも多数のギタリストを魅了し続けています。そんなサウンドを現代のラインナップで手に入れるならこの「1959SLP」を使うのが正解でしょう。

~スペック~

  • MODEL: 1959SLP
  • RANGE: VINTAGE
  • TECHNOLOGY: VALVE
  • CHANNELS: 2
  • WATTAGE: 100W
  • INPUTS: 2 × 2
  • CONTROLS: PRESENCE, BASS, MIDDLE, TREBLE, VOLUME 1, VOLUME 2
  • PRE AMP VALVES: 2 × ECC83
  • POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 4 × EL34
  • WEIGHT: 20.5kg
  • DIMENSIONS(W × H × D): 750mm × 310mm × 215mm
  • EFFECTS LOOP: YES

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100wの出力があるため、大会場でも余裕の音量を確保できるのも1959の魅力。エフェクトループが装備されているのも嬉しい仕様です。

~1959SLPデモンストレーション by mi-ya~

それでは1959SLPのコントロール類をセッティング。

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しっかり歪ませながらも高音域を少々削ってまろやかにしています。

曲は21gの「つき」。

~サウンドインプレッション~

「さすが名機」といった貫禄のサウンド。この「歪みすぎないけどしっかり歪む」というか、ナチュラルなディストーション・サウンドが心地よいです。Eddie Van Halenのブラウン・サウンドに代表される1959。トレブリーな音作りが多いのですがmi-yaさんはあえて少しトレブルを削ってナチュラルさを付加していました。それでもしっかり高音域があって、Marshallらしいジャリっと感があるのも流石です。渡辺氏が言っていた「どの機種を弾いてもMarshallサウンド」を体現してくれていますね。

やはりヴィンテージシリーズのMarshallの歪み方はナチュラルさがウリ。1959が70〜80年代王道サウンドの礎です。

④1987X

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この1987Xは先ほどの1959SLPの50wバージョン。出力を落としてあるのでパワー管の数が減る、サイズが多少小さくなる、重量が軽くなる...等はありますが基本的なスペックは一緒です。ではなぜMarshallが100wと50wをラインナップしているのでしょう?家で小さい音量で弾くため?
いいえ、違います。それは前回渡辺氏に伺った10の質問の中にありました。出力を落とすことで歪み始めるポイントを速くし、さらに音がタイトになるのです。その違いが今回明確に分かると思います。

~スペック~

  • MODEL: 1987X
  • RANGE: VINTAGE
  • TECHNOLOGY: VALVE
  • WATTAGE: 50W
  • INPUTS: 2 × 2
  • CONTROLS: PRESENCE, BASS, MIDDLE, TREBLE, VOLUME 1, VOLUME 2
  • PRE AMP VALVES: 2 × ECC83
  • POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 2 × EL34
  • WEIGHT: 15.3kg
  • DIMENSIONS(W × H × D): 665mm × 265mm × 205mm
  • EFFECTS LOOP: YES

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~1987Xデモンストレーション by mi-ya~

今回もTREBLEは下げめ。

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歪みをがっつり効かせるべく、LOUDNESS1はフル10です。

曲は21gの「つき」。

~サウンドインプレッション~

どうでしょう! ワット数が変わっただけでこの印象の違い!! 音の暴れが少なくなります。特に低音でリフを刻んだ時の歯切れの良さは100wでは出ません。ジェフ・ベックやイングウェイがこぞって50wを愛用するのが分かりますね。

単音のフレーズにおいてもピッキングニュアンスが100wの時より細かく表現されている印象。パワーではなくニュアンス勝負なら50wを選択したいところです!!

⑤2061X

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1960年代後半、1962を小さくした1974というコンボアンプが製作されました。2061Xはその1974をヘッド化したもののリイシューです。これもハンドワイヤード。整流管を真空管ではなく「整粒装置」に変更している事で1974よりも歪みやすいのが特徴です。出力も20wなのでさらにタイトな音質。ボリュームとトーンしかない潔いコントロールも好印象。楽しみです。

~スペック~

  • MODEL: 2061X
  • RANGE: HANDWIRED
  • TECHNOLOGY: VALVE
  • CHANNELS: 2
  • WATTAGE: 20W
  • INPUTS: 2 × 2
  • CONTROLS: VOLUME,TONE × 2
  • PRE AMP VALVES: 1 × ECC83
  • POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 2 × EL84
  • WEIGHT: 10kg
  • DIMENSIONS(W × H × D): 510mm × 225mm × 210mm

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~2061Xデモンストレーション by mi-ya~

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普段はJCM800を愛用しているmi-yaさん。2061Xという新たなサウンドに興味津々で音作り。

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TONEはけっこう明るめにセッティングしました。

曲は21gの「21Generation」。

~サウンドインプレッション~

今回はあえて歪みを抑えめにしてクランチ・サウンドのカッティングでプレイしたmi-yaさん。20w出力というMarshallヘッドラインナップの中でもかなり低めの出力設定だからこそ、こういったカッティングなどの細かな表現が活きてくれます。劇歪みを望む方は以降の機種をオススメしますが、クリーン〜クランチを主としたプレイをされるギタリストにはもってこいだと思います。

⑥JCM800 2203

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いよいよJCM800の登場です。MarshallがRose-Morris社から離れてから初のプロダクトだけに、ここでの変化は大きいです。
JCM800以前に「MV」「Master Volume」と呼ばれる、マスターボリュームを搭載したモデルをし始めていましたが、このJCM800はMarshallロゴも大きくなり、より歪みやすいアンプに。
なんてったってメタリカも使っていたくらいですから!

~スペック~

  • MODEL: JCM800 2203
  • RANGE: JCM
  • TECHNOLOGY: VALVE
  • CHANNELS: 1
  • WATTAGE: 100W
  • INPUTS: 2
  • CONTROLS: PRESENCE, BASS, MIDDLE, TREBLE, MASTER, PREAMP
  • PRE AMP VALVES: 2 × ECC83
  • POWER AMP VALVES: 1 × ECC83 , 4 × EL34
  • WEIGHT: 20.5kg
  • DIMENSIONS(W × H × D): 750mm × 315mm × 210mm
  • MASTER VOLUME: YES

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~JCM800 2203 デモンストレーション by mi-ya~

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mi-yaさんはトレブルを削ってマイルドなサウンドにするのがお好きなようですね。JCM800でマスターボリュームが付いたとはいえ、プリ・ボリュームを上げるだけではガッツリとした歪は得られません。マスターもしっかり上げめにします。

曲は21gの「Mr.アドレナリン」。

~サウンドインプレッション~

これまた「名機」です。80〜90年代を代表するアンプと言っても過言ではないその実力は納得のいくものです。
2061Xまでと比べて歪みの量はだいぶ上がりました。しかしそれでも音ヌケが変わらず良いのはMarshallのMarshallたる所以でしょう。渡辺氏の言う「バンドサウンドで埋もれない」という事が実証できています。また逆に「曲に馴染む」というのも分かります。Marshall独特のトレブルが「馴染むけど主張する」という相反するサウンドを生み出しているのでしょう。

やはりHR/HMを演奏する上でJCM800は選択肢としてもかなり「アリ」ですね!

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