【プリアンプ徹底レビュー】MOOER ”MicroPreamp” 話題の全10機種に迫る ~アンプのサウンドをコレクト~
記事中に表示価格・販売価格が掲載されている場合、その価格は記事更新時点のものとなります。
今やMOOERといえばおおよそ、サイズやサウンドなどのイメージが湧く方も多いかもしれません。そのくらい国内にもブランドイメージが浸透してきました。
今回、改めてそのMOOERを解説しながら、”MicroPreamp”の全貌にせまっていきます。
さっそくですが、みなさん、こう思ったことはありませんか?↓↓↓
- 大きいアンプの持ち運びに困る・・
- いろんなアンプの音を出したい・・
- スタジオのアンプが気に入らない・・
- アンプヘッドがほしいけど高い・・・
これからご紹介する”MicroPreamp”は、その全ての期待に応えてくれます。
すぐにでも全10機種の試奏動画に行きたいところですが・・・。その前に、このシリーズを解説する上で欠かせない、サイズ感や共通の機能からご説明していきます。
外観編
安定のMOOERサイズ
まずは外観とサイズから紹介しましょう。今や世界的に浸透しつつある「MOOERサイズ」。本当に手のひらサイズなんです。
オタク界でいうと「かわいいは正義」ですが、エフェクター界では「ちいさいは正義」かもしれませんね。
筐体はしっかりとしていて丈夫そうです。ありがちな、軽すぎて不安・・・みたいなこともありません。
実際にエフェクターボードに入れてみました。このボードは世に出ている、俗にいう「一番ちっちゃいやつ」なのですが、この余裕があります。全10機種が一番小さいボードに全部入ってしまうんです。驚き。
別アングル
ボディの左側からのアングル。アウトプット端子が付いています。商品の名前もプリントされています。これは001の”Gas Station”ディーゼルアンプのシミュレート。
右側からのアングル。楽器を繋ぐインプット端子が付いています。端子は、一般的なエフェクターと比べて下の方に付いています。
上部からのアングルです。アダプターを繋ぐ端子が付いています。プリアンプなので、300mAと高めな電流。一般的な9Vのアダプターは400mA~500mAなので、十分対応しています。
シリーズ共通機能編
2チャンネル切替
チャンネルの選択方法を見ていきましょう。シリーズを通して2つのチャンネルがあります。青がクリーン・クランチ、赤がさらに歪みの多いチャンネルです。
実際にチャンネルを切り替えてみましょう。赤丸の部分のスイッチを押すたびに青色⇔赤色と交互に行き来します。
画像の状態はスイッチが青なので、歪み成分の少ないチャンネル。
押すとこのような色に変化。青よりも歪み成分の多いチャンネルに切り替わります。
コントロール部
ツマミを見ていきましょう。イコライザーはTREBLE/MID/BASSの3バンドですね。その他はVOLUMEとGAINが確認できます。
いたってシンプルで現実的な仕様なんです。しかし驚くべきことに、このツマミは2チャンネルのそれぞれに独立して設定可能。
具体的に言うと、上で説明した青チャンネルと赤チャンネルそれぞれで、ツマミの位置を覚えてくれるんです。
筆者、このポイントで心がザワついたんです。ホントにすごすぎる・・・。
フットスイッチのモード切替
フットスイッチのモードは2つあります。プリアンプのON/OFF or 上で説明した2チャンネルの切り替えの、どちらかで選択可能。
まずはフットスイッチに着目しましょう。耐久性も十分ありそうです。このフットスイッチを長押しすることで2つのモードが切り替わります。
ではまず、プリアンプのON/OFFモードからいきましょう。フットスイッチを踏むたびに画像下⇔上という風に交互に切り替わります。
ランプが点灯していない時はOFF、点灯時はON。画像は青のチャンネルですが、ONにした時に赤チャンネルが呼び出せる設定も可能です。
さて、次はフットスイッチを長押ししてみて、2つのチャンネルを切り替えるモードに入りました。フットスイッチを踏むたびに画像下⇔上という風に、2つのチャンネルが交互に切り替わっています。
例えば、青にクランチ、赤は強めのディストーションとして保存しておけば、一気に切り替えが出来て便利ですねー。
キャビネットシミュレーター
キャビネットシミュレーターの機能を見ていきましょう。これは、各アンプの「スピーカーの音を通した音」を再現。
具体的には、録音機器などに直接つないでダイレクトに録音する際に使います。通常通り、アンプに繋ぐ場合はOFFにすると良いです。もちろん好みですので、ご自由に楽しみましょう。
実際にキャビネットシミュレーターのON/OFF切り替えをやってみましょう。画像赤丸のスイッチを、長押しするたびにランプが点灯⇔点滅と交互に切り替わります。
点灯しているときは、シミュレーターがOFFになっています。工場出荷時は、すべてOFFの状態。
長押ししたところ、ランプが点滅しています。キャビネットシミュレーターがONの状態。この状態でチャンネル切り替えを行うと、赤・青のチャンネルそれぞれで、ランプが点滅します。
アンプに繋いだ状態でシミュレーターがONにすると、音が少しこもる感じになります。ただ、真空管の濃密な質感が得られる効果もあるので、お好みで選んでもOK。
さて、それではお待たせいたしました。次は試奏編に入りたいと思います。
試奏編
Micro Preamp 001 Diezel Hagen
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880375
発売中
Diezelらしい、重心の低くズッシリとしたサウンド。特徴ある中域のコシもしっかり再現されています。ハイゲインでも各弦の分離が程よくて、弾いていて気持ちが良かったです。
Micro Preamp 002 Marshall JCM900
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880382
発売中
高音のジャリつく感じと、低音弦のゴツゴツした質感はマーシャルそのもの。独特に暴れるサウンドも魅力。実際に、マーシャルヘッドを持っている方に聞いても「これはマーシャルだ!」と言い切っていました。
Micro Preamp 003 Koch Powertone
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880399
発売中
コッホのストレートな歪みを再現。ローエンドがモワつくこともなく、中域にサウンドの核がある感じがします。バランスがとれているので、ハイゲイン~ローゲインでも素直で使いやすいです。
Micro Preamp 004 Vox AC30
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880405
発売中
びっくりしました。まさしくVox。筆者は一時期Vox AC30を使っていたのですが、ピッキングの追従性がかなり似ています。中域の「コツコツ」した独特の質感がたまらないです。高音のエッジ感もしっかり再現。
Micro Preamp 005 EVH 5150
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880412
発売中
中~高音のネバつく感じは、まさしく5150。高音の抜けを維持したまま、ローエンドの量感も維持している感じが良いです。2.3弦をミュートしたサウンドは、EVH をよく再現していると思います。
Micro Preamp 006 Fender Blues Deluxe
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880429
発売中
一言でいうと「こってりした」サウンド。Fenderアンプの肉付きの良い感じが良く出てます。筆者、Blues Deluxeも一時期使用していたのですが、よくできていると思います。
後ろの方でうっすら倍音が「リー・・ン」となる感じが、よく再現されてます。
Micro Preamp 007 Tone King Falcon
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880436
発売中
低~中域にかなり圧縮されたサウンドが特長。6弦ローフレットの「ゴンッ」というスピード感がよく再現できています。小さめのコンボを、フルアップに近い状態で鳴らした感じが出ています。
Micro Preamp 008 Mesa Boogie MK III
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880443
発売中
低音の「ズモー!!」と高音の「ドヒャー!」という感じがまさしくMesa Boogie。音の量感がかなりあります。伸びやかで且つキレもあるサウンドが魅力。
Micro Preamp 009 Engl Blackmore
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880450
発売中
Englのメタリックなサウンド。クラシカルなフレーズを弾きたくなります。もとになっているアンプは、リッチー・ブラックモアのサウンドと要望を完全に叶えているモデル。
クリーン~ハイゲインまでかなり幅が広いです。
MOOER 010 Two-Rock Coral
オープンプライス
販売価格: (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
JAN:4562459880467
発売中
ダンブルライクなサウンド。音のキレと伸びが両立されています。TOMO FUJITA氏を想像しました。ピッキングのニュアンスがかなり出ます。
チキンピッキングなどでも、音の質感を変えることができて、弾いていて楽しいです。
レビュー後記
まず驚いたのが音圧です。しっかりと、大型アンプのようなサウンドがしますし、大音量で弾いたときは素直に気持ちがよかったです。
そして、各アンプのシミュレートについてですが、各有名アンプの質感と音圧、ピッキングニュアンスまでしっかり再現されています。
それらを、この1万円以下に収めていることがとにかくすごい。2チャンネル&キャビネットシミュレーター付きというのも高ポイント。
初心者や学生さんなど、ギタリストの入門エフェクターとしても良いですし、中級~上級者の耳の肥えた方にも、期待に応えてくれるでしょう。
あとは、例えば図のように実物のVox AC30を持っている方が、"Micro Preamp 004 Vox AC30"を買って、アンプのチャンネルを増やすような使い方もグッド。
また、同一品を2つ買って、片方はクリーンでかけっぱなし、もう一方はオーバードライブ/ディストーション切り替えで使えば、まさに好きなアンプサウンドそのものを手にできるわけです。
さて、みなさんは、全10機種の中で「これだ!!」というものはありましたか?筆者も3つほど欲しくなりました。
みなさんもぜひ、お近くの島村楽器で試奏してみてください。さあ、アンプ探しの旅へ!