【ベースアンプヘッド】Markbass “BigBang” 島村楽器限定カラーモデル MAK-BB/Bをレビュー
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Markbass "BigBang"
島村楽器限定カラーJet Black
最近では、各メーカーからコンパクトかつハイパワーなモデルが多数登場しているベースアンプヘッド。今回は、その中でもベーシストの肥えた耳をうならせているMarkbass "BigBang"の、島村楽器限定カラーJet Black仕様モデルをご紹介します。
今から10~20年以上前のベースアンプは、大出力を維持するために、排熱効率や電源の関係で筐体も大きく重いモノが多かったように思います。が、最近ではコンパクトタイプが主流になっていますね。ギターアンプよりも出力を必要とするベースアンプにも、大きな発展があったといえます。
その大きな発展のひとつの形であるMarkbass "BigBang"。発売から現在まで数多くのベーシストを虜にしているモデルの実力に迫りましょう。
観察
スペックに関しては、通常のMarkbass "BigBang"と同様の500w出力。自宅やスタジオ、ライブハウスなどでも使用できる十分な出力を持っています。ツマミなども同じ仕様。
通常モデルとの比較
通常カラーのレッドと比べてブラック仕上げのため、より一層高級感が増しつつ、シックな印象になっています。
柔軟な音作りを可能にするコントロールセクション
LOW と HIGH に加え、MID LOW と MID HIGH を装備。各周波数を直感的に操作できるので、幅広い音作りが可能になっています。およそ、各コントロールは以下のような働きをします。
- LOW:パワー感や量感を調整
- MID LOW:ベースの音程感
- MID HIGH:サウンドのコシとハリ
- HIGH:ピッキングのアタック感
【VLE】ヴィンテージ・ラウドスピーカー・エミュレーター
高音域のカットに使用。時計回りにまわすことで、カットする高音域の周波数帯域が広がります。上げることでメロウなサウンドに。
【VPF】ヴァリアブル・プリシェープ・フィルター
時計回りで低音域と高音域をブーストし、中音域(380Hz)をカット。ロックなどにマッチする、パワーのあるサウンドに。
フットスイッチ(オプション)を使用することで、足元でVPF&VLEやMUTEのオン/オフ切り替えも可能です。
接続端子
ヘッドホン端子を搭載。スピーカーキャビネットが無くても、ヘッドホンでモニタリングすることができます。ヘッドホン出力の音量はツマミで調整可能です。
AUX INを搭載。スマホやオーディオ機器と接続することで、好きな曲を聞きながら演奏可能です。もちろんベースと曲のサウンドを一緒に、ヘッドホンで聞くことができます。
リア部分は、コンパクトながら必要十分な接続端子を装備。ホームユースやライブなどでも、大活躍できる設計になっています。
付属のキャリーケース
ケースを入れても3kgほどなので、持ってみた感じはかなり軽いです。本当に、エフェクターやプリアンプを持ち歩いている感覚で使えそうですね。
本体を入れた状態でも、フロントとリアを開けることが可能。ケースのままケーブルを差してそのまま使うことができるので、かなり便利ですね。これは、地味なようでかなりポイントが高いです。
特徴
- コンパクトながら500wの大出力を実現
- ブラック筐体で高級感の増したデザイン
- 4バンドEQ+VLE/VPFコントロールで強力な音作り
- ヘッドホン/AUX IN 端子搭載で様々な用途に対応
- 専用キャリングケース付属
パワーと柔軟性を兼ねそろえたサウンド
今回は4バンドEQをあまりいじらず、VLEとVPFの調整をメインに音作り。感想としては、VLEとVPFがかなり優秀ですね。EQは基本フラットで良いのでは?とすら思わせるほどに、作りたい音が出てくれています。これが本来の使い方かはわかりませんが、VLEとVPFだけで音作りが簡潔するほどに強力です。
音はさすがマークベースといった印象。音の伸びやパワー感、音程感や中音域の量感まで、バランスよくチューニングされている感じがします。ジャンルを選ばない点も高評価です。
動画で使用した機材
【FreedomCGR RSJB】
販売価格: (税込) ¥364,194 (税抜 ¥331,086)
JAN:2370000258939
パッシブジャズベース。広いレンジとコシのあるサウンドが魅力です。
国産メーカーFreedomCGR。抜群の弾きやすさと表現力のあるサウンド。
【ORANGE OBC410】
メーカー希望小売価格: (税込) ¥231,000 (税抜 ¥210,000)
販売価格: (税込) ¥184,800 (税抜 ¥168,000)
JAN:5060117080284
10インチのエミネンススピーカーを4基搭載したスピーカーキャビネット。迫力あるパワー感とレンジの広さが魅力です。
総合評価
パワー | 低 | ● | 高 | ||||
音程感 | 悪 | ● | 良 | ||||
ヌケ | 悪 | ● | 良 | ||||
操作性 | 悪 | ● | 良 | ||||
可搬性 | 低 | ● | 高 |
サウンドのパワー、音程感、ヌケともに非常に良いバランス。ライブ演奏や録音で実際に使うことを考えて、かなり現実的で実用的なサウンドが出てくれます。
操作性はツマミの数や、ツマミ操作での音の変化などを考慮し、文句なしの満点。可搬性に関しても、500Wの大出力ながらここまでコンパクトで軽く設計されている点やキャリーケースの使い勝手を考え、こちらも満点をつけました。
Markbass MAK-BB/B
メーカー希望小売価格: (税込) ¥143,000 (税抜 ¥130,000)
販売価格: (税込) ¥85,800 (税抜 ¥78,000)
JAN:4549312057112
発売中
ご好評につき再入荷
スペック
- Power:500W (4Ω) / 300W (8Ω)
- PowerAMP:Digital
- Preamp:Solid State
- Controls:Gain & Master
- EQ:4-band fixed
- Pre/post EQ switch (DI):○
- Line out level control:○
- Footswitch:Option : MAK-FS2N MUTE & EQ2(VPF / VLE) On/Off Select
- Speaker out:Speakon + 1/4” combo jack, 1/4” jack
- その他:VPF & VLE /AUX IN / Headphone Out & Level Control / GND LIFT / Tuner Out / Effect Loop
- サイズ:22.7 x 6.5 x 25.5 cm
- 重さ:2.15kg
- キャリングケース付属
レビュー後記
サイズやサウンド面を全てひっくるめて、良い意味で「派手さのない」設計という点が好印象。いかに手軽に実戦的なモノを作ることができるか、という工夫が伝わりました。
余談ですが、ベーシストのみなさんは音作りを工夫する上で、ベースアンプの代わりに優先的に「プリアンプ」を用意することが多いと思います。
が、その選択が増えているのは、以前までのベースアンプが大型で重量もあり高額なモノが多かったために、結果プリアンプに流れるしかなかった、という文化が今も少し続いているからかもしれません。
プリアンプを使って少しでも理想の音に近づけるということは良い選択なのですが、ベースアンプを持つことこそが、音作りの上で「最善の選択肢」ということをお伝えしたいです。
このMarkbass "BigBang"はその最善の選択肢を手軽に、ベーシストに提案してくれている、そう感じました。