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【今さら聞けない】ギターで使われる木材事典! Part4 ~クリはマロンじゃありません!?~

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木材事典④

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今回は「た行」の木材ですが、意外と「な行」の木材って少ないので、一緒に載せちゃいます。
木材事典「た&な行」スタート!

■タガヤサン(鉄刀木) ~Cassia siamea~

タガヤサン
広い視野でくくるとすれば、ウェンジと同種の材といえるでしょう。芯材は濃褐色で重硬。耐久性もあります。

一般的にはあまりギターに使用されませんが、稀に指板などで「タガヤサン」という材を目にする事もあります。また、アコースティックギターのサイドでも使用される事もあります。音質はウェンジと同様、明瞭な音質でサスティンも稼げます。ウェンジよりは少々水っぽいサウンド傾向です。

マメ
センナ
種類 広葉樹
別名 ボンベイ・ブラックウッド
産地 東南アジア
気乾比重 0.69~0.88
強度 6

~タガヤサンを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■タモ ~Fraxinus Mandshurica~

s-タモ
硬く、弾力性にも富んでいるタモは、とくに「アオダモ」という種類が野球のバット、スキー板などでよく使用されます。モクセイ科トネリコ属だけあって、アッシュと近似種ではあるものの、アッシュよりは少々やわらかいのが特徴。通常はまっすぐな木目である事がほとんどですが、上記画像のように玉杢が現れる事があります。

サウンド傾向はやはりアッシュに似ていますが、アッシュよりは少々粘りを感じる材。一般的ではないものの、Bacchusがギターのボディに、またアコギのバック材として使用するメーカーもあります。

モクセイ
トネリコ
種類 広葉樹
別名 ヤチダモ、タモアッシュ
産地 北海道~本州中部、朝鮮、中国
気乾比重 0.65
強度 5

~タモを使用したギター・ベース~

神代タモ_2
現在はあまり使用しているメーカーがありませんが、Momoseから神代タモを使用したギターが発売されていました。
倒木が水や火山灰、地中の中で腐敗することなく幾年もかたちを残し、その土や水、灰のなかで埋もれていた木のうち、千年以上埋もれていたものを「神代木」と呼びます。その神代木の中でも、貴重な杢の出たタモを使用したのが、Momoseの神代タモ製ギターでした。

木材画像提供:(株)ディバイザー様

■チーク ~Teak~

teak
非常に硬質で、縞模様が美しく出ることの多い材。以前はピアノの材としても使用されていたほどの強度を持ちます。耐久性にも優れるため、珍重される材ですが、その分お値段もお高め。世界最高級材の一つに数えられ、多くは家具や建材に使用されます。

楽器で使うと、乾いたコシのある低音が魅力となります。ベースのボディで使用したり、指板で使用してみても面白いかもしれません。滅多に見ませんが…

クマツヅラ
テクトナック
種類 広葉樹
別名 柚木・油木
産地 タイ・ビルマ・インドネシア
気乾比重 0.68
強度 6

~チークを使用したギター・ベース~

さすがにそう簡単には見つかりません…
オーダーなら可能性はあるかも。
ぜひ一度チーク材の楽器を所有してみたいものです。

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■チェスナット ~Chestnut~

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チェスナットは直訳すればクリ。クリの木の事です。この材は製材時には上記のような色をしていますが、年数が経ってくると、下のような独特の黒褐色に変化して行くため、非常に味わい深いものがあります。

kuri

硬めの材であるがゆえに、輪郭のハッキリしたヌケの良いサウンドが特徴。ジャリっとした荒々しい傾向が現れやすいです。

ブナ
クリ
種類 広葉樹
別名 クリ
産地 北海道~九州、米中部、北欧
気乾比重 0.55
強度 5

~チェスナットを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■チェリー ~Cherry~

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バラ科サクラ属の樹木。アメリカ東部~中部が産地として有名。乾燥しきれば安定性は抜群。ただし辺材は虫害に弱い傾向があります。

サクラ(桜)はチェリーの日本語訳ですが、チェリーと同じバラ科であってもスモモ属に入ります。チェリーは果実を食用とする樹、サクラは花の観賞用、といった意味でも厳密には違うものと捉えるのが正しいとは思いますが、ここでは広い視野で「同じ材」と扱います。

楽器界ではマホガニーと同種のとらえ方をされており、アコギのサイド&バック材やベースのボディ材などでよく見かけます。比較的硬質でありながら柔らかなサウンドも併せ持ちます。

バラ
サクラ
種類 広葉樹
別名 ブラックチェリー・ワイルドブラックチェリー・ワイルドチェリー
産地 北米東岸・南米北部・カナダ大西洋岸
気乾比重 0.55
強度 5

~チェリー、サクラを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■トチ ~Horse Chestnut~

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日本国内に広く分布し、家具でよく使用されます。しっかり乾燥させないと耐久性も落ちるため、扱いの難しい材ではありますが、木目の出方が多種多様なため、珍重されます。

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たとえばこのようなフレイム模様が出たりといった事もあります。

これまでと比べれば比較的柔らかめであるがゆえに、音にもマイルドさが加わります。ベースで使用すれば、ジャズなどで重宝される材になる印象です。

トチノキ
トチノキ
種類 広葉樹
別名 トチノキ/シチヨウジュ
産地 北海道~九州、中国
気乾比重 0.53
強度 4

~トチを使用したギター・ベース~

木材画像提供:フジゲン(株)様、(株)ハリーズエンジニアリング様

■ナトー ~Nato~

nato
マホガニーによく似た赤褐色で性質も近似なため、マホガニーの代用材として近年多く使われています。気乾比重の幅からも推測できるように、軽軟~重硬の幅が広い材です。楽器で使用する際は選別して使う必要があります。

先述のとおりサウンド傾向はマホガニーに非常に似ていますが、マホガニーよりも柔らかい個体であったばあいはサウンドもより甘くなりがちです。

アカテツ
グッタペルカノキ
種類 広葉樹
別名 ニヤトー/ペンシルシダー(
産地 東南アジア
気乾比重 0.47~0.89
強度 3~5

~ナトーを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

まとめ

今回は比較的マニアックな材が並びましたね。他にも、極稀にギターでしようされるナラや、タケで出来たアコースティックギターなんてのもありましたが、あまりにも数量が少ないために今回は省きました。

ちなみにタケ(竹)はイネ目イネ科タケ亜科で、樹なのか草なのか曖昧なんですよ。竹の親戚筋はみんな完全なる草なのですが、それに比べると樹に近いため、樹とみなされることも多いようで。
もう一度「竹ギター」を作ってほしいですね~。ね? ヤマハさん!

マメ知識

今回出てきたチェスナット、日本語ではクリ(栗)です。
栗の英語名はマロンではありません。マロンはフランス語です。

さらに、フランス語のマロンも栗ではありません。(!?)
マロンはトチです(!!!)

■犯人はマロングラッセ?

マロングラッセというトチの実を使ったフランスのお菓子が入ってきた際、日本では栗が代用されました。なので栗=マロンという誤解が生じてしまったのです。マロンが英語だと思ってしまったのは単なる勘違いですね。

ちなみに「セイヨウトチノキ」という樹はトチだけにフランス語でマロニエと言うのですが、英語名はなんと“Horse-Chestnut”!
チェスナットの名が付いているのです。トチノキ科トチノキ属の正真正銘トチのクセに!

う~ん、ややこしや。

日本語 英語 フランス語

(クリ)
chestnut
(チェスナット)
châtaigne
(シャテーニュ)

(トチ)
horse-chestnut
(ホース・チェスナット)
marronnier
(マロニエ)

念のため一覧表。言語って面白いですね。

※上記マロンに関する内容は、諸説存在します。(2017年6月30日追記)

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