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【今さら聞けない】ギターで使われる木材事典! Part3 ~スプルースにはいろんな種類がある?~

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木材事典③

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さあいよいよ第3弾! 「さ行」行ってみましょう。

■サペリ ~Sapelli~

sapelli
アフリカ赤道付近に生息する広葉樹。マホガニーに似ていて価格は控えめなので、アコギのBACKやSIDEで、マホガニーの代用としてよく使われます。乾燥させやすい木ですが、乾燥後のゆるやかな狂いには要注意。(もちろんギターになっている材はしっかり乾燥して、塗装もしてあるので狂いは生じ難いのですが…)

硬度はマホガニーよりも少々やわらかめなので、音の立ち上がりはマホガニーより緩やかになります。

サペリと聞いて真っ先に思い出すのはやはりTaylorでしょう。Takamine、K.Yairi、Martinなどもサペリを採用して低価格に抑えたギターを生産しています。

センダン
エンタンドロフラグマ
種類 広葉樹
別名
産地 アフリカ赤道付近
気乾比重 0.65
強度 4

~サペリを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■シダー ~Ceder~

ceder
「シダー」というと「スギ」と訳されがちですが、ギターでよく使用されるのはウエスタンレッドシダー。本来ヒノキ科ネスコ属の樹木をさします。しかしヒノキ科のスギ属、ヒノキ属などの樹木にも「シダー」と名の付くものが存在し、分かりづらくなっています。日本のスギはスギ科スギ属の樹木なのですが、“Japanese Cedar”と名づけられたことでCedar=杉と認識されて、現在に至るようです。

シダーはアコギのTOP材としてあまりにも有名。柔らかめの材ですが反応の良いサウンド傾向。クラシックギターのトップ材として、またフィンガーピッカー向けのアコースティックギターのトップ材として頻繁に使用されます。

ヒノキ
ネズコ
種類 針葉樹
別名 ウエスタンレッドシダー
産地 ロッキー山脈北部、太平洋岸北西部
気乾比重 0.38
強度 2

~シダーを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■スギ ~Sugi~

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先ほどのシダーとは違って、スギ科スギ属に属するいわゆる「杉」です。一番有名なのは建築材としての使用。日本の本州北部から屋久島まで広範囲に分布しており、日本人にとってとても馴染みのある樹木だと言えます。木目に沿って縦に割りやすいため、割り箸等にも使用されます。

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左:吉野杉/右:屋久杉

杉は国内の産地によって様々な名がつけられ、固有の木目が存在します。代表的なものは吉野杉と屋久杉でしょう。どちらも非常に個性的な木目が特徴なので、エレキギター、エレキベースのトップ材として使用される事があります。

taiwannsugi
台湾杉

最近では台湾杉を使用したギターもたまに見かけます。ジャパニーズ・シダー同様スギ科ですがタイワンスギ属の針葉樹。ジャパニーズ・シダーよりも少々硬質ですが建築材としてアジアで人気が高い材。木目の出方が個性的です。

スギは柔らかめの材であるため、サウンド傾向も少々丸い印象。エレキギターのトップ材等で用いられるな場合は、バック材にアッシュなどの非常に硬質な材を使用して、サウンドバランスが取られます。

スギ
スギ
種類 針葉樹
別名 ジャパニーズシダー
産地 日本
気乾比重 0.38
強度 2

~スギを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」、(株)ハリーズエンジニアリング様、(株)ディバイザー様

■ジリコテ ~Ziricote~

s-ジリコテ
非常に硬く、ウォルナットのような木目が現れる、美しい材。加工のしやすさにも特筆すべき点が見受けられ、硬いながらも弾力性があり、珍重されます。非常に高価で、中々木材市場に出回りません。そのためジリコテを使用したギター&ベースもあまり見かけません。

やはり硬い材なので、エッジの効いたサウンド傾向があります。アコギのボディに使用される事もありますが、多くはメタル系ギターのボディで目にします。木の希少性から、楽器本体の価格も高くなりがちですが、サウンドとルックスから人気は高いです。

~ジリコテを使用したギター・ベース~

木材画像提供:(株)ハリーズエンジニアリング様

■スプルース ~Spruce~

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アコースティックギターのボディトップ材としてあまりにも有名な材です。北米からヨーロッパ、一部日本でも分布しています。一般的に白っぽい見た目が特徴で、木目も淡い印象のものが多く見られます。ピアノの響板、バイオリンなどなど、ギター以外の楽器にも多く使用される人気材と言えるでしょう。

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シトカ・スプルース

スプルースには産地によって様々な名称が付けられます。
アコースティックギター界で「スプルース」という材表記があればほとんどがシトカ・スプルースと言えるくらい、シトカ・スプルースは有名。北米、特にアラスカから南カリフォルニアに分布する材です。(アラスカのシトカ市の名から来ています)

他にも北西アメリカ産の「イングルマン・スプルース」(シトカよりも少々軟質)、アメリカ北東部に分布していて、戦前のアメリカ製アコースティックギターのトップ材として頻繁に使用されていたアディロンダック・スプルース(パワフルでクリアなサウンド傾向)など、ギターで使用されるスプルースは多岐にわたります。

マツ
トウヒ
種類 常緑針葉樹
別名 トウヒ
産地 北米、ヨーロッパ、日本
気乾比重 0.35~0.4
強度 3

~ジリコテを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■ゼブラウッド ~Zebra Wood~

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昭和30~40年代に、洋服ダンスの化粧板として人気を博した、縞杢が美しい材。乾燥が難しく、長い時間をかけて行う必要がありますが、乾燥後は非常に安定した材となります。
材自体重厚で美しいため、エレキギターやエレキベースのTOP材として使用される事がありますが、好みが分かれる材なので、そこまで多くは見かけないのも事実です。

長いサスティンを得やすい材として知られています。さらに硬質なためエッジの効いた高音の伸びの良いサウンドとなります。

マメ
ツルサイカチ
種類 広葉樹
別名 ゼブラノ
産地 中央アフリカ
気乾比重 0.7~0.84
強度 5

~ゼブラウッドを使用したギター・ベース~

木材画像提供:Strictly 7 Guitars

■セン(栓) ~Castor Aralia~

sen
センは”Japanese Ash”と呼ばれる事もあるくらい、アッシュによく似た木目を有しています。しかしアッシュはモクセイ科トネリコ属性、センはウコギ科ハリギリ属の樹のため全くの別物です。
第一回で「アッシュの仲間である栓(セン)。」と表現したのは間違いです。(第一回記事訂正済みです)

センにはヌカセン(糠栓)とオニセン(鬼栓)があり、バスウッドのような癖の無い音質がヌカセン、アッシュのようなハリのある音質がオニセンです。日本製エレキギター生産が始まった頃には、低価格のギターのボディにアッシュの代用材として使用されていましたが、現在ではあまり見かけませんね。

ウコギ
ハリギリ
種類 広葉樹
別名 ヌカセン、オニセン(種類)
産地 日本
気乾比重 0.5
強度 3

~センを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

■ソノケリン ~Sono Keling~

sono
「ソノケリン」とだけ聞くと、何の材だか分かりづらいのですが、この画像と別名「インドネシア・ローズウッド」でピンと来るでしょう。マメ科ツルサイカチ属である事からも分かりやすいです。そう、インドネシア産のローズウッドなのです。インディアン・ローズウッドの種をインドネシアで植林して生まれた種です。

サウンドはローズウッド同様、硬質で立ち上がりが良く、サスティンも稼げます。インディアン・ローズウッドに比べると、多少粘り気を感じるかもしれません。多少ですが。

使用用途も想像の通り、ローズウッド材を使用するようなところで使用します。アコースティックギターのバックやサイド、エレキギターのTOP材、全般的に指板等です。

マメ
ツルサイカチ属
種類 広葉樹
別名 インドネシア・ローズウッド
産地 インドネシア
気乾比重 0.9
強度 6

~ソノケリンを使用したギター・ベース~

木材画像提供:府中家具工業協同組合様「木材図鑑」

まとめ

なんだか「さ行」はアコギでよく使用される材が多かった気がします。

スプルースに関しては、シトカ、アディロンダック、イングルマン、さらにはジャーマンなど産地によって名前がつき、サウンド傾向も色々なので、好みの材を見つけるのも楽しそうです。木目の違いもあるので、ルックスでの選定も必要ですね。
また、「シダーはスギではない」「センはアッシュではない」など、誤解を生みやすい木材も多々ありました。

次回は「た行」です。「た行」は有名な楽器材はあまり無いので、逆にマニアックになりそうな予感…

■木材画像提供