【こだわりの逸品】「消磁!?」 不要に磁力を帯びた楽器の音を復活させるDegaussing Processor “DP-G1”の真価を試す!
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音楽雑誌Guitar Magazine(3月号)やWe Rock(3月号)、Sound & Recording Magazine(3月号)、Bass Magazine(3月号)がこぞって特集を組むその実力をさっそく試します!
G-Life Guitars
DP-G1
メーカー希望価格 (税込) ¥35,200 (税抜 ¥32,000)
販売価格 (税込) ¥35,200 (税抜 ¥32,000)
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Degaussing Processorとは!?
何やら聞きなれない“Degaussing”(デガウシング)というワードと共に姿を現した、このDP-G1。
processorはパソコン関連でもよく耳にする「処理装置」という意味ですが...
Degaussingとは何なんでしょう?
まずはその謎を解き明かします。
磁石の強さを表していた「ガウス」という言葉
ワタクシは数学者でも、物理学者でもないので学術的なことは何も言えませんが、「Degaussing(消磁)とは何ぞや?」と思い調べたら...
[de]- [gauss]-[ing]
と三つに分解できるようです。
- de:これは英語で「分離」や「否定」、「反対」などを表す言葉。単語の前について、後ろの単語の逆の意味にしたりします。
- ing:これは簡単。動詞の後について、その動詞を名詞化する言葉。動名詞化ってヤツですね。
- gauss:これがポイントですね。以下、ワタクシなりに解説。
gaussというのは人の名前。Carolus Fridericus Gauss(カール・フリードリヒ・ガウス)というドイツの数学者、天文学者、物理学者(1777~1855)。
第二次世界大戦中、ドイツ軍の使用する機雷は、周囲に対する船の磁力の強さを検知するものでした。
そのときドイツ軍が使用していた磁力の強さを表す単位がGaussだったのです*。
ドイツ機雷に苦しめられていたイギリス軍を助けるべく、カナダのCharles F.Goodeveが船の磁力を周囲の磁力と同じにして機雷から逃れる術をあみだしました。
その方法を“Degaussing”と呼んだ事が消磁の始まりです。
※磁石の強さを表す単位は1990年代まで「ガウス」でしたが、現在は「テスラ」に統一されているようです。
ちなみにガウスは1989年~2001年の12年間、ドイツ10マルク紙幣にもなっていました。↓
「消磁」は意外と身近で行われていた?
「ブラウン管テレビ」を覚えているでしょうか?
電源を入れると、「ブ~ン」という音が鳴りましたよね?
あれ、消磁している音なんです。
ブラウン管のテレビってよく色ムラを起こしていたような気がします。
あれな本来磁力を帯びてはいけないのに、単一方向に帯びてしまったことで起きる現象。
毎回電源を入れる際に一度リセットして磁力をバラバラにすることで、色ムラを防止していたんです。
ブ~ン...
なんだか懐かしくなってきました。
こんな感じの木目調のテレビでしたよね~(30台後半男子談)
ギターやベースを消磁するって?
ハイ、本題です。
「ギターやベースを消磁するって、何か意味あんの?」
ですよね~?
ワタクシもここまで書いておいて、まったく見当つきません。
(まあ元々理系ではないのでそこまで深く理解しきれていないのも事実...)
「分からないときはやってみる!」
体育会系でいきましょう!
文系でもなかったようです(笑)
Degaussing Processor “DP-G1”をギターで試す!
さっそく試してみましょう。
消磁するのはこのギター。
MUSICMAN AXIS SPORT。
使い続けて13年。
指板の汚れも取れなくなってきました。
磁気も溜まりに溜まっていることでしょう。
そのまま65秒待って...
完了!
パッと見では何が変わったか分かりません...(←当然)
果たしてDegaussingの効果は!?
Degaussingしたギターでサウンドチェック!
実際にDegaussingしたギターの音をチェックしてみましょう。
動画ではDegaussing前と後を伏せてあります。
A、BどちらがDegaussingされた音か、当ててみてください!
正解発表
さてみなさん、どっちが消磁後のサウンドか分かりましたか?
正解は...
...
...
...
“A”がDegaussing後のサウンドでした!
みなさん、お分かりになりましたか!?
Degaussingしたサウンドの特徴は、
- 低音成分がスッキリして、音の輪郭が心地よく聞こえる
- 各弦のバランスが良くなって分離感が上がり、歪ませているのにクリア
といった印象。
Youtubeに上げた状態だとちょっと分かりにくくなった感はありますが、Degaussingして録音しているとき、弾きながらヘッドフォンで聴いているとなんとも気持ちがイイんです!
こんなに変わるとは...
Degaussing Processor “DP-G1”をベースでも試す!
せっかくなんで、ベースでも試してみます。
使用するベースはコレ。
Rickenbacker 4003。
こちらも使用暦13年。
指板横バインディングの黄ばみを見てください。
13年の歴史を感じさせる風格。
これも磁気が溜まっちゃってるはず!
さきほどと同様にDegaussingします。
サウンドチェック
それではベースもDegaussing前と後でどうなるか、聴いて見ましょう!
デジランドのサカウエが以前作ったオケをお借りして・・・と
ベースがリッケンだし、やっぱり演奏するのはこの曲です。
デジランドの記事はこちら
【レビュー】イエスの「ラウンドアバウト」を、KOMPLETE 9 ULTIMATEを使って打ちこんでみました
ベース→歪み→プリアンプ→オーディオインターフェイスという接続順で録音しております。
コントロール類は神に誓って、いじっておりません!
どうでしょう?
後の方が低音がスッキリして、モヤモヤが取れたような感じ。なんだか音抜けが良くなったように聞こえます。
Degaussing Processor “DP-G1”の実力
今回、ギターとベースを「Degaussing(デゴージング)=消磁」してみました。
やってみて感じたのは、弦の分離感が良くなって、低音がスッキリするということ。
例えて言うなら、チャーハンがパラパラに仕上がったような...
お米とチャーシュー、卵がそれぞれに味がしっかり染み込んでいながら、脂っこくなく、中華の風味がしっかり感じられる。
そういう感じです。
このDegaussing Proseccor、消磁した効果は1週間ほど継続すると取説にはあります。
ここまで音が変わるなら、やはり大事なレコーディングやライブ前にはしっかり消磁したいですね。
ちなみにDP-G1、ギターだけでなくアンプやエフェクターにも効果が絶大とのこと。
シールドにも効果あるらしいですね。
今回はギターだけでチェックしましたが、ぜひアンプも試したいです。
手持ちのヘッドフォンでもやってみましたが、これまたクリアなサウンドになりました。
あ、そういえばG-Life Guitarsって、DAITAさんのブランドなんですよね。
Guitar Magazine3月号でDP-G1を実際に試した感想が載っていました。
DAITAさんお墨付きって聞くと、なんだか納得しちゃいます。
ぜひ皆さんも実際に試してみてくださいね!