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【こだわりの逸品】今あらためて振り返るアメリカン・ギター “Danelectro”【イベント】

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昨年、2016年にめでたく創立60周年を迎えたDanelectro。ハードロック世代の方にはジミーペイジ愛用ギターとして、またもっと前の世代の方にはロックンロールのギターとしてのイメージがあるDanelectroですが、現在にわかに若い世代に人気が出てきています。その強烈に個性的なルックスか、良い意味でのチープ感か、はたまたアメリカンなテイストか…
彼ら、彼女たちの目には一周回って新鮮に映っているという事なのでしょう。ということで今回はDanelectro特集。その歴史やモデルに迫ってみましょう。

Danelectroの歴史
Danelectro現行ラインナップ
Danelectro Artist Dig-Up Contest

Danelectroの歴史

Danelectroとして最初に作られたギターは、当時わずか$69.00。今の貨幣価値に換算すると6万円くらいでしょうか。

ごく一般的な木材とビニール素材、メゾナイトフォーマイカで組み上げられるDanelectroが使用していたピックアップは”Lipstick Tube”と呼ばれ、そのピックアップカバーは文字通り口紅のチューブ工場から買っていたものでした。Danelectroは高価な木材やパールの装飾などを使わず、とにかくシンプルに製作されていたのです。

■創始者Nathan Danielとギターアンプ

Danelectroの歴史は、エレキギターの夜明けとなった1940年代から始まります。


Danelectroの創始者は、Nathan Daniel。彼は、ニューヨークで独自にギターアンプを作っていました。世界初のプッシュプル・サーキットも搭載していた革新的なものです。その後1934年から1946年にかけてEpiphoneブランドのアンプを請け負っていて、Epiphoneからはそのまま継続を熱望されましたが、独立したかったNathanはDanelectroを立ち上げます。


1947年にDanelectro社を立ち上げたNathanは、モンゴメリー・ウォード(当時隆盛を誇っていた百貨店)で販売するアンプを作っていました。48年にはイリノイ州の百貨店「シアーズ」のギターアンプ・プロデューサーになり、さらにTarg & Dinnerなどの卸売商にも商品を供給していました。

■エレキギターの製造


1954年、Nathanは”Silvertone”の名でシアーズ限定販売のソリッドボディギターを発売します。他の卸売商たちには”Danelectro”の名で同じギターを販売していました。

現在はオールディーズと呼ばれる音楽が最新であった当時の若者には、Silvertoneギターはギターを始める時に買うギターとして定着していたようです。


▲”1449″。当時は”Amp-in-case“として絶大な人気を誇った入門エレキギターでした。

当時のモデルは、ポプラボディにトラスロッドを持たないネック。そのかわりヘッドからボディ内のブリッジの所まで、3/4インチのスクエア・アルミチューブが入っており、そのおかげでネックが反らないようにしていたのです。


SilvertoneブランドとDanelectroブランド両方から販売されていた1449。ベーキングされたメラミン製ピックガードや、2つのピックアップをシリーズで使用できた点などは共通していましたが、Silvertoneのボディサイドには暗い栗色のビニール・カバリングが、Danelectroには白いツイードのカバリングが施され、区別されていました。

現在は上記画像の様にテクスチャでカバリングされ、レトロ感を演出しています。

■Danelectro独自のスペック


その後Danelectroの代名詞ともなったメゾナイト構造が生み出されます。これは現在も現行である59Oホロウボディで確認できます。内部はホロウボディで、木材のフレームで構成。メタルブリッジは、ボディトップとバックを接続しているウッドブロックにネジ止めされています。

現代のエレキギターではチューニングの安定性から敬遠されがちなウッドサドルは、独特なDanelectroサウンドの一つの要因になっています。


Danelectroと言えばやはりLipstickピックアップ。アルニコ・バーマグネットを用いて4.75kという低い抵抗値で巻くことにより、Danelectro独特のあのベルの様なサウンドを生み出します。

■Danoマテリアル

1956年秋ごろには、NathanはDanoマテリアルと呼ばれる材料を使用してDanelectroとSilvertone製品を作り始めていました。Danoマテリアルとは、ボディサイド、ネック、ブリッジブロックを含むボディフレームに木材を使い、接合してから3/8インチのメゾナイト樹脂でカバーする手法を指します。

ボディトップとバックは塗装され、サイドはビニール素材でカバリング。(これによってポプラ材のフレームが隠されます)もちろんピックアップにはLipstickを使用。Lipstickは4.75kΩの直流抵抗値で巻かれ、パワーが出すぎないように調整されています。


▲1957年12月号のPopular Electronics Magazine表紙はDanelectro。

■Danelectro社の売却とその後

Nathanは1966年にはDanelectro社をMCA(Music Corporation of America)に売却します。その後Nathanはハワイに移住し、セイルボードの製作に従事したそうです。


1967年、MCAのブランドとなったDanelectroは、Coralというブランドでギターをプロデュースします。それがこのエレクトリック・シタール。ジョージ・ハリスンをはじめとした数々の名演を生み出したモデルです。

その時点でDanelectroの製品は85%がシアーズに出荷されていたため、MCAは他の販売店に製品を販売するため、Coralのボディ製作を日本で(!!)開始しました。

1969年、MCAの方針転換によりDanelectroの工場は閉鎖され、ブランド自体が存在しなくなります。しかし1990年代、Evets CorporationがDanelectroの商標やSilvertoneとDanelectroギターの製造権等々を取得し、晴れて世にDanelectroが復活を果たしたのです。

■追憶のDanelectro

Danelectroが過去、生産したギターの画像を発掘! 少し紹介しておきます。そのレトロなルックスや、当時は画期的な試みが満載です。


TOPとバックにテクスチャを貼ったSINGLE CUTAWAY。ピックアップもLipstickらしからぬルックスです。バックにはトラスロッドの代わりとなるスクエア・アルミチューブが見て取れます。


上記SINGLE CUTAWAYの内部画像です。ボディサイドとセンター、ブリッジブロックが木材である事がよくわかる画像。


こんな12弦も作っていたのですね、Danelectro。ボディシェイプが独特ですが、Lipstickピックアップは健在。コントロールがたくさん付いていて多彩なサウンドを生み出せそうです。


これも12弦。塗装も含めてDanelectroらしさが醸し出されています。LONGHORNの原型でしょうか。


なんとアコギにBigsbyを取り付けてLopstickを搭載するというぶっ飛んだモデルもありました。


Coral エレクトリックシタールのレフティです。今となっては貴重な存在です。

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