【インタビュー】DAITAが考える理想のギターとは? in G-Life Guitars Show Room
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G-LifeでDAITAさんがこだわっているポイント
―Premium、Extreme、DSG-Life、Cross Edgeと3シリーズのラインナップがありますが、DAITAさんが「G-Life Guitars」に込めた思いをお聞かせください。
DAITA:最初の全体のコンセプトとしては、フロイドローズモデルではないブリッジ、PIEZOが載っていること、24フレット仕様であることを主軸として考えていました。
―24フレにこだわった理由は何かありますか?
DAITA:もともと24フレのいいギターって少ないなと思っていて。22フレでいいギターは結構あるのですが、24フレで同じようないい響きになるものは少なかった。G-lifeはそこを追求していきたいなと思ったのも事のきっかけで。
―一番こだわったポイントはどこでしょうか?
DAITA:一番こだわったことは弾きやすさですね。
例えばネックからボディ側に指のポジションを移動したときに、一番上のハイフレットのハイポジションまでスムーズに指が入ることとか。
一般的には、ネックを支えるためにボディの後ろ側に厚みを持たせるのですが、それがあることで手が引っかかるんですよね。それがノンストレスでハイフレまで弾けるギターは無かったんです。そのセットアップの部分はG-Lifeオリジナルで築き上げたものだと思いますね。
―ラインナップごとのこだわりはどのあたりでしょうか?
DAITA:ラインアップごとだと、「Extremeシリーズ」はピエゾピックアップを載せつつ、フロイドローズをうまく組み合わせて使っていたりとか、現場で使い勝手がいいようにオールマイティサウンドをギターとしてくみ上げた最終形のモデル。
「Cross Edgeシリーズ」は僕がアメリカで活動していく上で、カラフルなモデルよりもちょっとビンテージ風なものの方が、バンドの印象とかアメリカの雰囲気に合うので、そういうのにトライしてみようと思って創ってみた形。
シェイプも違いますし、サウンド的なキャラクターが違うのと、D-チューナーが付いているところもポイントですね。
―D-チューナーもポイントなんですね。
DAITA:今ドロップチューニングが多い中で、僕もアメリカで一音下げて、さらにドロップCまで落として現場で使うこともあるんですね。そういうことが瞬時に、ギターを取り替えなくても簡単にできるということが大事。これはセッションの現場とかでもラクですね。
―瞬時にドロップできるのはいいですよね。
DAITA:また、コードにもよりますけど、開放弦を使ったリフが入った楽曲だと、やっぱり24フレまであって、メロディのオクターブまで弾けた方が、フレーズの幅が広がるという事もあります。
僕は22フレのサウンドも好きですが、自分が作ることが多いのは24フレ主体の楽曲。
あとはキーボードとか入っている楽曲やセッションだと、24フレの方がそういう音階にも対応しやすいし、そういう意味では24フレあるのが一番。いろんな現場に向いていると思いますね。
―コイルタップ、Piezo搭載、Piezoサウンドのミックスと、G-Life Guitarsは「万能」という印象を受けます。やはりDAITAさんのプレイスタイルが反映されているのでしょうか?
DAITA:Piezoは、普通のクリーンのサウンドだけじゃなくて、独自のきらびやかなサウンドというんですか、アコースティックよりのクリーンサウンドを弾いてて気持ちよくて。
その上新しいなと思ったので、周囲に広めて行きたいなと思って取り入れました。それも簡単に使えるというところがポイントですね。
―具体的にPiezoの魅力はどんなところですか?
DAITA:Piezoは普通のピックアップで出すクリーンよりも倍音があって、いろんなサウンドを構築しやすいのも特徴。さらには歪ませて使っても良いですし、普通のピックアップで出せないサウンドも、瞬時に出したいといった場合にすごく便利。
特にストロークでアコースティックみたいな弾き方をして、かつエレキギターでそういった雰囲気を出したいときには、Piezoが付いているほうがよりリアルなサウンドが得られるし、僕も海外を含めていろんな現場でセッションしたときに、そのサウンドを出すと「おっ!」ていわれますね。
―なるほど、「おっ!」て言われるわけですね。
DAITA:そういうサウンドを聴いたことが無い方が多いので、Piezoのクリーンサウンドになったときにみんなはっとするみたいです。そのギャップみたいなものもG-Lifeの特徴のひとつですね。中でもクロスエッジのテレキャスタイプは、よりタイトでシャープなサウンドが出るので。Piezoに向いてるボディのタイプだと思いますね。
―アメリカに行ったときはこういうヴィンテージスタイルが主流ですか?
DAITAさんの海外プロジェクトバンド『BREAKING ARROWS』
DAITA:アメリカはギブソン・フェンダーが主流で、フュージョンとかはヴィンテージスタイルが多いですね。
最近の主流として、ロックよりのジャンルを弾く方の中には、派手できらびやかなギターを持っている人もいますが、アメリカ自体が建物なんかも古いものをリペアして使っていく文化なので、楽器もなんか近い雰囲気ががありますね。車とかもそうじゃないですか、直して使う。そういう感覚が根付いている。
―ものを大事に使うというか、独特の文化ですね。
DAITA:アメリカに長くいると、そういう感覚というか気分というか、雰囲気がが分かってくる。例えば新しい車がポンと来るよりも、昔のシボレーを改造してペインティングしてかっこよくするみたいな文化。そういうのがあると思う。そういう感覚でG-Lifeも今後考えていこうと思いますね。
―ほかに何か特別なこだわりなどあったのでしょうか?
DAITA:サウンドの好みはいろいろあると思うんですが、ただサウンド自体は出尽くしている。あとは機能性だったり、弾きやすさだったり、見た目のインパクトだったり、そういうところに尽きると思うんです。
G-Lifeはどこかに特化した形に作らずに、全体のバランスを整えながらトータルで「特化」しているのを目指してきたので。
今ショールームに展示しているギターも1本1本形は一緒ですが、出るサウンドは木によってぜんぜん違う。塗装によっても違うし。
ただ材が同じだったら音の方向性は一緒になる。だからメイプル指板のアッシュボディなのか、ローズ指板のアルダーボディなのかでもぜんぜん音は違いますし。
―DAITAさんがG-Lifeに求めたサウンドはどんなサウンドですか?
DAITA:僕はギブソンのレスポールをギターを始めた時から使っていたので、リードの音はレスポールの音が好きなんですね。
ただクリーントーンとか、いろんなサウンドはストラトには勝てないと思っています。そして両方を併せ持ったようなサウンドが出るギターが欲しいと思っていて、その中のひとつがトムアンダーソンだったんです。
でも弾いていたら、ある一定の帯域が主張していて、他の帯域が出ていないことに気づいて。それで今度はPRSを使ったりとか、他のギターを使ったんですが、また物足りなくなってしまって、両方出るものが欲しいって思って創ったのがG-Lifeですね。
―そういった中で日本製に対しての想いって何かありますか?
DAITA:日本製が一番だと思っていますから僕は(笑)
圧倒的に日本のクオリティが一番だと思っているので。職人色も含めてですけど。
海外もすごい技術を持っている方とか、いいクラフトマンもいますけど、全体的なトータルの仕上げとかのグレードにおいては日本は高いと思いますね。
ディティールの部分も含めて。やっぱり海外に持っていくと「わっ!すごい!」言われるできばえなので、人に自信持って進められるのはやっぱり国産かな。
トヨタとかと一緒ですよね(笑)
―国産ですか。
DAITA:やっぱり長い目で見たら日本製みたいな。
向こうで使っているデジタルカメラの一眼レフとかも、キャノンとか多いですからね。エレクトリックが絡むものは、日本の技術が入っていないものは無いって言っていいぐらい多い。だから、楽器とかギターの分野にもそういうのが昔からありましたし、これからも日本のギターブランドは世界に広めて行きたいという想いはありますね。
そんな日本で作られているG-Lifeも、工場出荷からさらに一手間別で工程を入れて、この状態にしています。工場だけだとこの形にはならないので。やっぱりそこはこだわりの部分を独自にいれて世の中に出している。
ただ、工場でもG-Lifeはいい材を使うことができるようになってきましたね。
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