【こだわりの逸品】島村楽器×Kawakami コラボレーションモデル~最高級の木材ルッツスプルースとは?~
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今まで、島村楽器は国内外問わず様々なメーカー様とコラボレーションしたモデルを発売してきました。エレキギターではIbanez、アコースティックギターではK.Yairi、Takamine、YAMAHA・・・等々。
そしてこの度新たなコラボレーションモデルが誕生します。
今回、コラボレーションするのは、「Kawakami Guitars」!!
Kawakami Guitarsとは・・・
リッチー・ブラックモアなどを顧客に持つ世界的製作家,川上秀穂を父に持ち幼少期から木工道具を遊び道具として親しんできたという川上祐介氏。
1996年頃からカナダのジャン・ラリビーに師事。2002年より同国にて工房を開く。
ジョン・ラリビーがカナダで巻き起こしたカナディアンギターの旋風とその門下生達:グリッド・ラスキン、リンダ・マンザー、サーゲ・ディヤングのオリジナルで勝負する職人としての精神性に強く感銘を受けて、カナダで学ぶのではなく同じカナダの地で製作することを選ぶ。
木材大国・カナダで活動する利点を活かした良質材の使用と、手作業を信条とした抜群の木工技術とで地元ミュージシャンを中心に絶大な人気を得ている。設立当初から"ギタープレイヤーの為の完全なるカスタムギター工房"という一貫したポリシーをもつ。
1930年代後半~40年代のギターをくまなく研究した結果と、これまでに培ってきた経験からくる思想をベースにした伝統と革新を躊躇なく形にしていくのがカワカミギターの最大の特徴。
Kawakami Guitars HPはこちら
このプロフィールにもある通り、川上氏のギターへのこだわりで欠かせないポイントの1つが木材。
ここでは、その木材がどのように選ばれるのか・・・。
川上氏に木材選定のポイントをお伺いしました。
川上氏が語る木材選定のポイント
ギターはそれぞれの箇所に音の伝達と強度を考慮された木材が使用されています。そしてその木材の元を辿るとそれぞれにすばらしい物語を持つ集合体です。
赤道を挟んだ何千マイルと離れた山中で何百年の歴史をそれぞれに経たトップとバックが運命共同体として一つの音振動を出すという運命を任された製作者はその結晶の為に今自分に出来るベストを尽くして木材調達をしなければなりません。
ギター製作を始めた頃にギター用に製材された材料を見て、楽器にする形はイメージできてもその背景にあるものを目をつぶっても何も出てこなかった。
当時も今も”お刺身”になった状態ではなくて、実際に生えている産地に足を運んで山、その木の皮や葉まで感じたいと体が求めます。そしてこの活動をもう10年以上も行っているので今はその木材にまつわる木こりファミリーまで製作しながら頭に思い浮かべる事ができます。
今残るすばらしい古い楽器は木材選定からこのプロセスに誠実に真面目に向き合ってきたからこそと強く感じます。
同様に私自身も原始的な方法ですが、産地まで足を運び手で感じた感覚をいつまでも大事にしたいと思っています。
実際に、木材選定のため産地まで足を運んでいる画像をいただきました。ギター製作家は、良い木材入手のために様々な経験・努力が必要です。ただ、川上氏のように産地で確認する、というように木材の本質と向き合う方法をとっている方は珍しいですよね。
木材大国・カナダで活動する利点はここにあるわけですね。
さて、今回のコラボモデルには、希少価値の高いTOP材が採用されています。
それは・・・Lutz Spruce(ルッツ・スプルース)。
このルッツ・スプルースとはどういった特性なのか・・・チェックしてみましょう!
ルッツスプルースの木材資質
“Sitka Spruce + White Spruce = Lutz Spruce”
カナダ・ブリティッシュコロンビア州北西部とアラスカ州との国境付近は得に良質なスプルースが生み出される地区として有名です。
この地区にはシトカ・スプルース、ホワイト・スプルースが生育しているのですが、いくつかの大河の集水域に木の自然交種が行われています。
それにより誕生した樹齢700年以上のスプルースは“ルッツ・スプルース” 又は”ハイブリッド・スプルース”という名で知られており、シトカ・スプルースの持つ強度/弾力性と、ホワイト・スプルースの特徴であるキメの細かい美しい色調が特徴です。
現在、北米西海岸において最も入手困難と云われる最高級のTop材がルッツ・スプルース。
クラシックギター製作者の巨匠ホセ・ロマニロスをして「最高級のギターに使用されるべきである品質」と称され入手された事から知名度を高めました。
他にもギター製作のバイブル書「GuitarMaking – Traditional&Technology」の著者Willian R. Cumpianoがメイン材として使用している他、Thompson Guitar, Greenfield Guitar, Greven Guitarsなどの有名ルシアーが「最高に優れた音色」と絶賛している木材。今回のコラボレーションモデルでは、このルッツ・スプルースを採用しています。
それでは、いよいよ島村楽器×Kawakami コラボレーションモデル(設計・製作監修:ユウスケ・カワカミ)を見ていただきましょう!
どうぞ!
島村楽器×Kawakami コラボレーションモデル「New Wave SS」
販売価格 (税込) ¥605,000 (税抜 ¥550,000)
JAN:2370000192059
■ボディーシェイプ
ボディーシェイプ名は、New Wave。
ハイポジションでの演奏性を考慮したフローレンタンカッタウェイのギターは数多くあるのに、カッタウェイによって失ったボディー内の空気容積を補ったギターが存在しない・・・。
この悩みを解決するために工学的に考えた結果、プレイサイドを膨らませたNew Waveデザインを採用しています。
■トップ
とにかくパンチのある力強くて音がつぶれない音質を求めカナダ北西部のルッツ・スプルースを選択。トップ材は現地の山中まで足を運び数百セットの中から触れて選び抜いたトップのみをカナダから輸送しています。
ブレーシングパターンはNew Wave用に開発したX-bracing with スキャロップ、そしてサウンドホールから1インチでクロスされるフォワードシフテッドパターン。
ブリッジプレートにはスプルース側にカナダ東部のハードメイプル&弦のボールエンド側にホンジュラスローズという"laminate bridge plate”を採用することで、ブリッジ周りが強固になり強い音を実現。
トップバックの振動箇所にはすべてニカワ接着が施されています。
マダガスカルなどのローズウッド系、アフリカンのブラックウッド系、マーカッサーエボニーなどをここ数年試した中で重量的にも音質的にも一番バラツキがなく平均値が高いのがホンジュラスローズ。
川上氏は、ここ数年Next ブラジリアンとして好んでこのホンジュラスローズを使用しているそうです。
■フィンガーボード&ブリッジ
ギターのみならすバイオリンなどの他の弦楽器においてもフィンガーボード&ブリッジにエボニーが使用されるというのが歴史的定説になっていて、その理由はフィンガーボードには固い木材を使用する事によって指板減りをなるべく抑える、ブリッジ側は弦の重量テンションに耐えうる事ができるという意味で当然の如くエボニーが使用されてきました。
ただし、"トーンウッド"という観点から見たときにエボニーは100点満点ではありません。
そこで採用したのが、硬度的にも"トーンウッド"においても最高峰であるハカランダを採用。ハカランダ指版によってマリンバ・木琴的な音響効果をこの箇所においても狙っています。
今回の島村楽器とのコラボレーションで企画段階から川上氏がどうしてもと採用したいとおっしゃっていたのがサークルフレッティングシステム。「弦とフレットが直角に交差するHistoryのギターを外から見ていていつも羨ましくてしょうがなかった(笑)」とのことです。
■バィンディング
カワカミギターの特許であるワンピースアームレストは最大の特徴ですが、今回のコラボレーションモデルで新たなる挑戦をしたかった、という川上氏。
ワンピースアームレストの演奏性、デザイン性を継承しつつもアバンギャルド感を加えたトーティスシェル(鼈甲柄)のアームレスト。
コアバインディングと赤鼈甲セルが最高の調和を醸し出しています。世界初のコアバインディング+鼈甲アームレストです。
■Spec
- ボディトップ :セレクテッド・ルッツスプルース
- サイド&バック :ホンジュラスローズ
- ネック :ホンジュラスマホガニー
- 指板 :ブラジリアンローズウッド
- フレット :C.F.S. 21F (サークル・フレッティング・システム)
- ナット&サドル :水牛骨
- ブリッジピン :水牛骨
- バインディング :アームレスト加工
- 塗装 :オールラッカーフィニッシュ
- アクセサリー :ハードケース
- 保証 :1年
今回のモデル製作にあたり、川上氏からメッセージをいただきました。
川上氏からメッセージ
今でこそフィンガースタイル用ギター、ストローク用ギターと音楽によってギターもカテゴライズされた時代になりましたが、ガツガツストロークのニールヤングもフィンガースタイルのマイケルヘッジスも、当時一番音が力強くて丈夫なギターを使用してきた事は周知の事実です。
今回のコラボレーションギターも、弾きこめば弾きこむ程、音の芯が強くなってストロークしても潰れない、そして指弾きしても一音一音クリアーに前に出るビンテージのような安心できる気丈で気品のあるギターに数十年後もなってほしいという想いがあります。
New Wave Style5は私のデザイン、コンセプトが基盤にはなっていますが、決して私一人では完成できないギター、Kawakami meets Shimamuraでしか成り得なかったギターに仕上がっています。
"神が宿る"と伝えられるハワイアン・コアの放射線状ロゼッタはこのような沢山の想いをサウンドホールから発振してプレイヤーそしてその周りの皆さんまで素敵な時間を過ごして欲しいというメッセージを込めてデザインしました。
今までになかったこの新しい波:”New Wave”を体で感じてください。
― 音量と演奏性の両方を兼ね備えたギターが創りたい ―
日々考える中で川上氏との出会いがありました。彼の豊富な知識や技術力に、島村楽器が長年の開発で積み上げたノウハウが融合し、新たに誕生したNew Wave SS。
技術の結晶が生み出した豊かなサウンドのギターをお楽しみください。
展示店舗
■展開店舗 第1弾 ※2014年11月1日発売
店舗名 | 電話番号 |
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名古屋パルコ店 | 052-264-8316 |
梅田ロフト店 | 06-6292-7905 |
新宿PePe店 | 03-3207-7770 |
イオンレイクタウン店 | 048-990-3340 |
水戸マイム店 | 029-233-2121 |
■展開店舗 第2弾 ※2014年12月上旬より展示予定
店舗名 | 電話番号 |
---|---|
新所沢パルコ店 | 04-2998-8255 |
イオンモール幕張新都心店 | 043-350-4800 |
川崎ルフロン店 | 044-221-5261 |
静岡パルコ店 | 054-275-5530 |
ミーナ町田店 | 042-710-6088 |
イオンモール鈴鹿店 | 0593-75-0538 |