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CAJ 千葉成基の「システム構築教習所」~第一段階 ~

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数々のミュージシャンのシステムを構築し、その圧倒的な知識量と技術で信頼を勝ち得ている千葉成基氏(CAJ:オカダインターナショナル)。その千葉氏が、我々アマチュア・ギタリスト/ベーシストのサウンドクオリティをUPすべく、今回「システム構築教習所」をギタセレで開校です。


これまで千葉氏と何度もお会いして来て、システム構築の話になるたびに「ノイズが」とお話を頂いていました。その時の私の心情→「ノイズとはいっても、千葉氏やプロの方々だからこそ気になるけど、我々レベルでは気にもならないノイズなんだろうな…」

これが今回覆りました!!

という事で千葉氏に依頼して、このノイズを除去するために重要な組み込み方等々を教えて頂きます。ここからは「システム構築教習所」の千葉先生という事でお願いしましょう。

千葉先生:よろしくお願いします!!

使用機材

第一段階「ボード選択と機材配置」

それでは早速教習に入っていきますが、まず千葉先生のシステムを学ぶ前に、とある教習生の組んだボードを見てもらいます。


ケーブルは市販の長さのパッチケーブルを使用して、キレイに組んであるように思えます。しっかり電源も準備してあって、印象はいいですね。

しかし!

これが完成形だとは思わないでくださいね。これでOKだったら、この教習所の意味がありません。このボードには大きく分けると以下の3つの点で問題が隠れています。千葉先生に聞いてみましょう。

千葉先生:まず美しくない! 見た目の美しさはノイズを低減します。

A.ペダルの配置


千葉先生:まずこの配置だと、蓋が締まりませんね… 持ち運べない(笑)


千葉先生:ここも断線の危険があるくらい、ボードの際に近すぎます。こういった「トラブルの予感」を可能な限り排除していく事も、ボードを組むうえで必要不可欠です。

B.電源まわり


千葉先生:トランス電源アダプターとペダル、音声ケーブルとの距離が近すぎるのでノイズが乗りますね。

C.ケーブルまわり


千葉先生:まず「美しくない」ですね(笑)
美しくないと気持ち悪い、っていうだけではなくて、余計な長さで配線されていたりする事で抜けやすくなったり、不必要な干渉からノイズが発生する可能性をはらみます。


千葉先生:あとはプラグどうしが当たっている箇所がありますね。ここもノイズ発生源です。

ほほーぅ。これは全然気づかないポイントですね。一見するとペダルがたくさんあって、しっかり音も出ているので問題ないと感じますが、そうではないんですね。

それではそういった点に注意して、ボードを組んでいきましょう(千葉先生が)!

①ボード選択

本来は「必要な機材に合わせて余裕を持ったボードを選択」というのが基本のボード選び。しかしながらそうも言っていられないのも現状ですよね? ふさわしいサイズのボードが売っていなかったり、そもそも高額だったり。

そこで今回は「必要な機材と、現行ボードでいかにうまく組むか」をテーマにするため、このボードを選択します。


CAJ System Board 4055
メーカー希望小売価格(税抜)¥43,000 (税込 ¥46,440)
サイズ:400mm (D) x 550mm (W)
重量:6.7kg
JAN:4571220040108

②電源ノイズ確認

「なぜ行うのか」や「どうしてノイズが生まれるのか」について、詳しくは第二回の「電源とノイズ」で解説しますが、配置を決める際に必要なタップやパワーサプライのサイズが関わってくるので、事前にこれだけは行っておきます。


ギターとアンプを直でつないで、ゲインを上げ、ボリュームも上げます。(ギター側のボリュームは0でOKです。)

この時に出る「サー」というホワイトノイズを、基準のノイズとします。(これはアンプの特性、および歪ませた際にアンプ側で発生する不可避なノイズのため、ノイズゲート等を使わない限り消せません)


続いてパワーサプライから電源を供給する予定の機材を、直列でいいので繋ぎ、電源供給を行います。(ペダルはすべてOFFでOKです)
ギターをボリューム0、アンプの先ほどと同様のセッティングでつなぎます。

すると…

けっこうなノイズが出てきました。非常に大きなノイズです。
そこで千葉先生の経験から一瞬で…


デジタルコーラスの電源ケーブルを抜いてみると…

ほぼ最初の状態(アンプのホワイトノイズのみ)になりました。
なぜこの電源を抜いたのですか?

千葉先生:デジタル回路のエフェクターは電源ノイズがのってしまう事が多いので、こういったノイズの場合は大抵デジタルエフェクターによるものです。アイソレートされていないパワーサプライを使う際には、デジタル・エフェクターだけ個別のアダプターにするようにして下さい。(AC/DC Station Ⅳのサイトにも書いてありました…)
今回組むディレイ、SOURCE AUDIOのNemesis Delayもデジタルなのでアダプターは別途用意します。同じくSOURCE AUDIOのGemini Chorusもデジタルなので分かっていたのですが、ノイズがどう乗るのか分かりやすくするために一度つないでみました(笑)

というわけで、今回はアナログペダル3台とINandOUT、計4台をAC/DC Stationから、デジタルペダルをそれぞれアダプターから、電源供給させる事になりましたね。

③配置決定


このボードの入出力口となる、CAJ In and Outをボードの角、今回は右上に配置します。(ここでは仮決めなので面ファスナー等は貼りません。配置を決定するだけです。)

次に電源類を配置します。


さきほどのボードの様にあまり際に行き過ぎないようにしましょう。


繋ぎ順を踏まえてペダルを置いていきますよ。


Loop and Link Ⅱ の上、プラグを挿すスペースを考慮して、その上に配置するペダルの位置を調整します。左右平行にするためにスケールを使用し、マスクングテープで位置を決めていきます。「美しく」行います。

ここでプラグだけを用意して、各ペダルに挿しておきます。


そうする事で、プラグどうしの干渉がある事が分かります。干渉するとグランドループが生まれるので、ノイズ源となります(グランドループについて詳細は、第二回で。)


ほぼ完成です。

千葉先生:このアナログペダル3種が綺麗に並ぶのでこの形がいいんですけど、ちょっとNemesis DelayがLoop and Link Ⅱ に近すぎるので、変えましょう。


千葉先生:この方がプラグの干渉も無く、スイッチャーとディレイの距離もあるので美しいですよね。


もし万が一プラグと他のペダルが干渉してしまう場合は、このように絶縁テープやビニールテープを貼っておきましょう。

これでペダルの配置は決定ですね!!

④接着

続いてペダルをボードに接着していきましょう。(千葉先生が)

その前に! ボードとエフェクターの裏面を綺麗に拭いてください。Zippoオイルなど揮発性の高い液体でボードをしっかり拭きます。面ファスナーや両面テープを貼る時に埃が付いているとちゃんとくっつきませんからね。


面ファスナーはカッターで普通に切れますので、サイズを合わせて貼って行きますよ。

ただし! 面ファスナーを貼る際に気を付けるポイントがあります。


ペダルの裏側には、シリアルNo.の書いてあるシールが貼ってある箇所があったりします。


筐体に直接書いてある場合もあります。こういった所には面ファスナーを貼らないようにしましょう。ネジ部分にもかからないように。

千葉先生:シールの上に貼ってしまうと、保障内修理が必要だったり、正規修理が受けられなくなったりというトラブルが生まれる可能性もあります。ネジの所も貼ってしまうと、修理するのに時間がかかったりしますからね。


床側は気にせずそのままのサイズでOKです。


アダプターは結束バンドで電源タップに固定して、それ以外の箇所に面ファスナーを貼ります。


AC/DC Station Ⅳの場合はすこし凝ってこんな感じにします。これは裏面のネジを避けて面ファスナーを貼っています。


あとはボードに貼り付けていくだけ。先ほどマスキングテープで決めた位置からズレない様に気を付けながら。


出来た!!

第一段階 まとめ

さて第一段階の教習が修了しました。皆さんご理解いただけましたか? 今回「ボード選択と機材配置」までを千葉先生に実際にやってみてもらいました。そこで今回のまとめをチェックしておきましょう。

作業中の一言的に出てきたポイントも追加で書いておきますね。

  • 使用するペダルは組み込む前にノイズチェック
    電源供給の方法をこの段階で決定する
  • ノイズ検証用のアンプはハイゲインなものを
  • デジタルエフェクターは専用アダプターを使用する
  • ボード、エフェクター裏面はまずZippoオイルで綺麗にする
  • 配置は美しく
    マスキングテープを活用しては配置決め
  • プラグを筐体に挿して余裕ある配置を
  • プラグ×プラグ、プラグ×ペダル筐体、ペダル筐体×ペダル筐体
    どれも接触はしないように
    接触してしまう場合は絶縁テープ
  • 面ファスナーは3M、ベルクロなどしっかりした物を使用
    低価格の面ファスナーは熱に弱く、移動中に糊が溶けてペダルが動いている、なんて事も起こりえます
  • 面ファスナー使用時はペダル裏のネジ、シリアルNo.を避ける

この他に「グランドループ」といった重要なキーワードも出てきました。また、「家庭用の電源タップでいいの!?」という疑問も出てきたかもしれません。これらは次回の第二段階「電源の供給と配線」で触れますのでお楽しみに。

千葉先生の「ちなみに!」

千葉先生、ワウをボードに組み込む際はいつもどうしていますか? ゴム足があってしっかり固定しづらいですよね?


千葉先生:ワウの場合はもうネジを替えちゃいますね、皿ネジに。ネジ頭の円錐形の所も、そこまで問題にならないので、径の合った物を調達して、面ファスナーで固定するのが良いと思います。


こういった「ワウボード・スペシャル」という製品も出ていますが、いかがですか?

千葉先生:良いですよね、コレ。CAJ製ではないので、こちらからご用意して使う事は出来ないのですが、お持ち込み頂けるならこれで組み上げられますよ。便利なアイテムですよね。

E.W.S. Wah Board Specialラインナップ


千葉先生:ちなみに、BOSSやIbanezなどのペダルを組み込む場合は、このゴム部分を取ってしまいます。その方がしっかり固定できるので。

というように、ペダルの底面は出来る限りフラットにしてボードに固定する事が大切です。運搬時にペダルが動いてしまうと、プラグがペダルから抜けてしまう危険性をはらみますから、それらをしっかり排除しましょう。