【ビギナーズ倶楽部】第5回 ベースの種類 ~ベースはバンドの土台!~
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2.アコースティック・ベースギター(エレアコ・ベース)
冒頭でも触れましたが、「アコースティック・ベース」というのはいわゆるコントラバスやアップライトベースの事を指すのが一般的です。しかしどうしてもカテゴリーとして分ける必要のあるこのベースを、「アコースティック・ベースギター」と呼びたいと思います。
※世間ではエレアコベースとも呼ばれています。
基本的にはアコギ(エレアコ)のベース版。エレアコな理由は、ベースが純粋なアコースティックだと音量が足りないからです。
この画像のモデルはOvetionのCC2474。ラウンドバックなので、生の音も比較的前に飛びやすいです。
ちなみにOcationからはB778TXというモデルも出ています。
Ovationエリートシリーズの流れを汲んで、サウンドホールが弦から外れた位置にあります。ハウリングが防げるのが最大の特徴。
1990年代、MTVの「Unplugged」という番組が流行した際、ベーシストもこぞってこういったアコースティック・ベースギターを使っていました。
ネイザン・イーストはGuild社のアコースティック・ベースギターを使っています。(これは今では生産されていないモデルのようですが...)アコースティック・ベースギターのサウンドがお分かりいただけたでしょうか?
なかなかお店には置いていないかもしれませんが、「バンドでストリートライブやろうぜ」なんてなった時は必要になるかもしれません。ぜひこういったベースがあることを覚えておいて損は無いですよ~
3.ウッド・ベース/アップライト・ベース(コントラバス)
いよいよベースも最終項目になりました。今回の特集の最初でもお伝えしたとおり、現代のエレキベースはもともとこのコントラバスから登場してきたもの。コントラバスは元はといえばクラシックで使用されていた低音パート担当の楽器。それをバンドにも使用し始めることで、音量や持ち運びの問題等があってエレキベースが生まれたのです。
ウッドベースがよく使われるジャンル
しかしそのサウンドやルックスから、エレキベースではなく、ウッドベースを使用し続けることもあります。ここではウッドベースがよく使われるジャンルをご紹介します。
●ウッドベースがよく使われるジャンル -ジャズ-
ジャズ自体の歴史があり、エレキベースが誕生する前からバンドで演奏していた方々にとってはベース=ウッドベースであったわけです。エレキベースが生まれても、フレットレスのエレキベースが誕生しても、ジャズの世界ではアップライトベースがスタンダードです。それはその音色によるところが大きいです。
ね? ドラムとピアノとウッドベース。この組み合わせでこのアンサンブルが生まれるわけですよ。
●ウッドベースがよく使われるジャンル -ロカビリー-
ロカビリーの歴史はエルヴィス・プレスリーまでさかのぼります。その頃はエレキベースも生まれたか生まれないかといったギリギリな時代。やはりベースはウッドベースで演奏する必要性がありました。そうすることでロカビリー=ウッドベースのスタイルが確立されたのです。
ロカビリーを語る上でエルヴィスと共にはずせない、Stray Cats。このステージではウッドベースに後付でピックアップを取り付けて音量を稼いで鳴らしているようです。
エレクトリック・アップライトベース
さきほどのStray Catsのようにアコースティックベースに後付でピックアップを付ける手法はもちろん今でも行われます。逆にギターで言うエレアコのように、最初からエレクトリックな楽器として作られるウッドベースも存在します。それらは一般的にエレクトリック・アップライトベースと呼ばれています。
アコースティックと違い、ボディの幅、厚みは縮小されてハウリングが起きないようになっています。また持ち運びも便利です。
ちなみに「アップライト」(Upright)とは「まっすぐ立った、直立した、姿勢のよい」という意味。アップライト・ピアノも「縦型ピアノ」って訳されますよね?同じ意味です。
ウッドベース・メーカー
FenderやGibsonなど、お店に行けばすぐに見られる、試奏出来るエレキベースと違って、ウッドベースはなかなか見る機会がありません。作っているメーカーも限られています。「ウッドベースを始めたい」と思った方のために、エレクトリックも含めてメーカーをいくつかご紹介します。
●SUZUKI
鈴木バイオリン製造株式会社です。バイオリン教室でよくお子様が使用されている、あのSUZUKIです。和製バイオリンのパイオニアとして有名な鈴木バイオリンは、コントラバスももちろん作っています。
●茶木
こちらも日本のコントラバス製作会社として有名。1947年に茶木弦楽器製作所としてコントラバスを中心に始まった会社。「完全手作り」で製作されるクオリティの高さがウリです。
●YAMAHA
エレクトリック・アップライトベース界ではかなりのユーザーがいるヤマハのサイレント・ベースご覧のとおりボディはほぼ無いので部屋の中でも音量を気にせずに練習できる、「Silent Bass」です。
●Atlier Z
エレキベースをたくさんラインナップするアトリエZは、エレクトリック・アップライトベースも発売しています。こちらは少々生鳴りもするタイプですが、ボディは小ぶりでそこまでの大音量ではありません。ピックアップからアンプに出力してライブで使用する事を想定したモデルです。
●Landscape
エレクトリック・アップライトベースの人気をアトリエZと共に二分するランドスケープ。ボディの厚みがあるタイプ、極薄いタイプなどなど、ラインナップが豊富で、人気の高い国産メーカーです。
まとめ
これで「ギターの種類」のシリーズは終了です。今回取り上げられなかったメーカーやジャンルなどもありますが、まずビギナーの皆さんは今回の内容を大まかにでも頭に入れてみてください。特にベースにおいては「ジャズベ」と「プレベ」が重要なのは読んで頂いてお分かりいただけたと思います。
皆さんがギターを選ぶお手伝いが出来るよう、次回はいよいよ「選び方」に迫ってみたいと思います。お楽しみに!
バックナンバー
今回のベース編でわからない用語があったら過去を振り返ってみてください。きっと解説しているはず!(無かったらゴメンナサイ)