【ビギナーズ倶楽部】第4回 エレキギターを知る② ~個性的なギターたち~
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2.SG/エクスプローラー/ファイヤーバード・タイプ
前ページではストラトキャスター、テレキャスターといった超定番以外のFender系を紹介しましたが、今度はそのGibson版といったところでしょうか。レスポールや箱モノ以外のGibson系です。
SG・タイプ
SGは、実はレスポールの新しいモデルとして発売されたという過去があります。
ちなみに発売当時の名称は「レスポール・スペシャル」。その後「SGスペシャル」と名称が変更になり、SGシリーズがいろいろ発売されるようになるのです。
SGの特徴は「マホガニーのみのボディ」という点。レスポールと違ったのはそこでした。またボディ自体も薄いのでレスポールに比べて持ちやすく、疲れ辛いのです。ただしボディが軽い分、ヘッド側に比重がかかってしまい、ストラップをかけてたって弾くとヘッド側が下がってしまう、いわゆる「ヘッド落ち」しやすいのもデメリットではあります。
そのデメリットもなんのその、SGは非常に愛用者が多いのです。まず真っ先に思い浮かぶのがAC/DCのアンガス・ヤング。
アンガス=SGのイメージはもう頭から離れません。
そしてもう一人、ブラック・サバスのトニー・アイオミ。
デビュー当時からSGを使い続けるレジェンドです。
日本でSGのイメージが強い方といえばこの方。
PRINCESS PRINCESSの中山加奈子さん。ポップな曲調の中でロックなサウンドを奏でるギタリスト。
「涼宮ハルヒの憂鬱」内で長門有希ちゃんもSGを弾いています。
というのも長門有希ちゃんのパートを担当している西川進さんがSGだからという事もあるのでしょうね。
というようにSGはけっこうロックなイメージが強いですが、レスポールよりは軽めというか、ロックンロール~ハードロックといったところで愛されているように感じます。サウンド的な傾向がレスポールよりライトな感じというのも要因でしょう。
エクスプローラー・タイプ
Gibsonの変形モデルといえばエクスプローラー。セットネックにハムバッカー×2というGibsonならではの構造ながら、非常に前衛的なデザインです。
エクスプローラーが最初に発売されたのは1958年。フューチュラ(Futura)という名でデビューしましたが、前衛的過ぎたのでしょうか、あまり人気が出ずにまもなく生産完了になってしまいます。
生産完了後、他社jからエクスプローラー・タイプのギターが複数発売されます。例えばHAMER。
チープ・トリックのリック・ニールセンが使用したことで一躍有名になりました。
その人気を見たGibsonは1975年にエクスプローラーを改めて生産開始。
エリック・クラプトンの使用でもどんどん名を博します。
さらにエクスプローラー・タイプのギターはJacksonからも発売されます。当時オーストラリアで結成されたヘヴンというバンドのブラッドフォード・ケリーのシグネイチャーモデルとして「Kelly」が登場。
さらにはメタリカのジェイムズ・ヘットフィールド ・モデルがESPから発売されます。
そうしてエクスプローラー・タイプはGibsonだけでなく複数社から発売されることで、ある意味「その他」カテゴリーではなくなりました。
エクスプローラーの印象はハムバッカーも搭載している事で、リフを使って刻むサウンドが多いということ。特に派生したエクスプローらー・タイプはそういった傾向が強いです。
ファイヤーバード・タイプ
ボディの形は少々エクスプローラーに似ているこのギター、「ファイヤーバード」(Firebird)と言います。
ファイヤーバードもGibsonから発売されたモデル。1963年発売なので、ちょうとエクスプローラーが生産完了になっている間に発表されたんですね。ファイヤーバード人気は何と言ってもこのブルーズマンが決定付けたといえます。
2014年、惜しくも永眠された別名「100万ドルのギタリスト」。
このギターは「スルーネック」という構造で、ネックの材がボディエンドまで伸びていてその横に翼のようにボディを足して作られます。そのためサスティン(音の伸び)も稼げる構造でした。
2015年にはB'zの松本孝弘さんが自身のシグネイチャー・モデル、TAK MATSUMOTO FIREBIRDを発売。
今後、ファイヤーバード人気が爆発しそうな予感...
(松本さんのファイヤーバードはヘッド形状やボディサイズなど、オリジナルとは違ったスペックが多々あります)