【ビギナーズ倶楽部】第2回 アコースティックギターを知る ~エレアコって何だ?~
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エレアコギター
エレアコギターとは、エレクトリック・アコースティックギター(Electric Acoustic Guitar)の略。…あれ? アコギは「電気信号で増幅しないギターである。」と定義しましたよね? そうです、これが例外パターンなのです。
エレアコギター(エレアコ)というのは、アコギの音をアコギの音らしいまま、電気信号で増幅するギターです。
エレキギターではアコギの音は基本的にしません。エレキギターらしい音がします。
こんなカンジで、クリーンな音もアコギのそれではないですよね。
しかしエレアコだったら...
アコギの音がします。こういった違いが出るワケです。
プリアンプ
エレアコにはこういったものが付いていることが多いです。
これはプリアンプと言って、簡単に言えばギターの音質を調整するもの。
しかしエレアコだからといってこのプリアンプがすべて載っているわけではないのでご注意を。エレアコかどうかの見分け方は...
こういった「ジャック」と呼ばれる、シールド・ケーブルのプラグを挿す部分があるかどうか。これで見分けが付きます。
エレアコを使う理由
エレアコを使う理由の大半は以下の3つかと思います。
- バンドと一緒に演奏する(一人でもステージで大音量で演奏する)
- レコーディングする
- タッピング*主体の演奏がしたい
(*)タッピング=指板の上の弦を叩いたり(ハンマリング)、引っ掛けながら離したり(プリング)して演奏する方法。この方の演奏が非常に分かりやすいと思います。
エレアコのタイプ -Ovation(オベーション)-
エレアコは「こういった形がエレアコである」というものが存在しません。通常のノーマルなアコギにピックアップと言われるマイクを載せてしまえばエレアコに変身します。もちろん、最初からピックアップが載ったエレアコも販売されています。
ということで、ここでは代表的なエレアコメーカーとその特徴的な形を見てみます。まずはOvationから。
お!? いきなりアコギらしくないですね! これはOvationの中でも「エリート・シリーズ」というもの。サウンドホールがボディの真ん中ではなく両肩に移動しています。エレアコなのでステージで大音量で弾くとハウリング*が起きてしまいやすく、それを軽減するという目的もあるようです。
(*)ハウリング=ギターから出た音がスピーカーから出て、その音が弦を震えさせ、ボディの中で共鳴し...という音の循環が出来てしまう状態。カラオケでいきなり大音量で「フィーン!」ってなる、あれです。マイクをスピーカーと逆向きにすると鳴らなくなりますよね。
ボディ・バック(背面)の「ラウンドバック」と呼ばれる構造もOvationの特徴。このバックの材料はグラスファイバーです。
バックをラウンド形状にすることで音がサウンドホールに向かって出て行くという構想から、このような形状になっています。ハウリングにも一定の効果があるようです。
Ovationを使用しているアーティストに、Charさんが挙げられます。
ちなみにOvationにはCelebrity(セレブリティー)、Applause(アプローズ)という比較的低価格なシリーズもあります。
エレアコのタイプ -K.Yairi(ケー・ヤイリ)-
エレアコのみならず。日本で製作されるクオリティの高いギターとして世界に名を馳せるK.Yairi。岐阜県可児市の「ヤイリギター」で職人の手によって作り上げられます。アーティストでもK.Yairiを愛用する方は多数。
これはもうサウンドホール自体ありません! エレアコもここま来れば「エレアコとしてしか考えていない」モデルになるでしょう。何せハウリングが起きづらいですから。生鳴りは度外視です。
ポール・マッカートニーが愛用していることでも知られている、YD-88というモデルです。
エレアコのタイプ -Takamine-
Takamineもヤイリギターと同じように岐阜県で製作されるギターメーカー。Takamineはエレアコとして人気がありますが、プリアンプにも特徴のあるメーカーです。
プリアンプの「特徴」という点でTakamineが有名なものは、「真空管」が入っているタイプ。
真空管というのは電気信号を増幅するもの。エレキギターのアンプなどによく使われています。これが入っていることによって「豊かでナチュラルなサウンド」が得られるのです。
Takamineといえばすぐに思い浮かぶのはこの方。長渕剛さん。
他にも、押尾コータローさんやGLAYのHISASHIさんなど、たくさんのアーティストが使っています。