【ビギナーズ倶楽部】第7回 ギターの選び方② ~ジャンル別~
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ファンク(Funk)/ソウル(Soul)
ファンクは60年代にジェームズ・ブラウンが結成したバンドからスタートした、16ビートを主体としたダンサブルな音楽。黒人音楽であったブルーズと、ゴスペルが合体して生まれてきた音楽をソウルミュージックと呼び、その中の一つのジャンルとして位置づけられています。
●エレキギターの場合
ファンクの場合、エレキギターの多くは「カッティング」というテクニックを使って演奏します。
16ビートのリズムに乗せてコードをチャカチャカとファンキーに刻んでいくのです。ビギナーにとって最初は派手でないので着目しないかもしれませんが、ギターが上達してくるとカッコよく映るこの不思議な感じ。それがカッティングです(笑)
基本的にはクリーンなサウンドでカッティングを行うので、あまりサスティンも長くは無く、パワーも抑えたシングルコイルのギターがよく使われます。
Sly & The Family Stoneのフレディ・ストーンはテレキャスターのイメージが強烈です。しかもシンライン。(セミソリッドのテレキャスです)
(画像はハムバッカーですみません...)
もちろんストラトやムスタングなんかも人気は高いのですが、シングルコイル以外でもけっこう使われているのがセミアコだったりするんです。
これも時代背景が影響しているんでしょうか? 同じ黒人音楽であり、ソウルのルーツにもなっているブルーズでもセミアコのギタリストが多いです。
●アコギの場合
ファンクやソウルではあまりアコギはメインで使われません。曲の隠し味的に使ったりはします。しかしそんなファンクの中で異彩を放つのがこのキザイア・ジョーンズ。
エレガットでカッティングするんです。(最初にはワウかけちゃってるし...)それがまたカッコイイ。キザイア後、クラシックギターでカッティングするギタリストはよく見るようになりました。もちろんキザイアのようにメインがそれというわけではないですが。
アコギでファンクやるならエレガットが良いでしょう。しかもボディは薄めで、キザイアのようにバンドで立って演奏する事を前提にすると良いと思います。
●ベースの場合
ファンク、ソウルのベースもギター同様、多種多様なんですよね。ベーシストによっては「この時代はジャズベだけどここからはプレベ」なんて方もいます。
その中でも比較的多いのはプレベ。タワー・オブ・パワーのロッコもそのプレベ使いの内の一人。
国内で近年ファンキー&ソウルフルな曲を聞かせてくれる、在日ファンクの村上啓太さんもプレベです。
フュージョン(Fusion)
フュージョンも60年代から生まれてきたジャンル。土台の部分はジャズを基調にしてロック、ラテン、R&Bなどいろんな音楽を「融合」させたことで生まれました。(だからフュージョンなんです)
●エレキギターの場合
フュージョンではギターが主役を張ることが多々あり、サスティンも重要視されます。またフュージョンの土台がジャズといった理由からもハムバッカーを搭載したギターが多く見受けられます。セミアコ、レスポールをはじめとしたGibson系統ですね。
●ベースの場合
フュージョンもベースは難しい...(汗)ホントに多種多様。
その中でも気付くのは「アクティブ」のベースが多いこと。スラップを多用するベーシストがたくさんいるのもこのジャンルの特徴。
パワフルな音、広いトーンコントロールといったアクティブベースがあれば彼らのスラップテクニックを身に付ける近道!? 画像は国産アクティブ・ベース界でも圧倒的な存在感を誇るATLIER ZのM247/'70。ラリーっぽいルックスにアッシュボディでスラップにバッチリハマります。
●アコギの場合
フュージョンでもあまりアコギを使う場面は見受けられませんが、リー・リトナーはYAMAHAのサイレントギターでライブも行っています。
エレガットではありますが他のエレガットとは違い生音がほとんど鳴らないエレキギターのような立ち位置で演奏が出来る(ハウリングが起こりにくい)ので、フュージョンでも扱いやすいのです。
フォーク(Folk)
「フォーク」というジャンルは大元のアメリカと、日本では少し印象が違います。
フォークという言葉はfolklore(民間伝承)から来ていると思われます。民謡という意味のフォークソングをウィーヴァーズやキングストン・トリオが歌い始めて一般的になりました。その後ボブ・ディランや二ーる・ヤングなどが民謡に影響を受けたオリジナルソングを歌い始め、アメリカでのフォークソングが確立されていきました。
日本の場合は70年代からフォークが流行しだしましたが、日本独特の進化を遂げました。アメリカのフォークと日本の演歌、民謡、歌謡曲との融合により、独自のフォークソングが生まれました。
●アコギの場合
フォークでアコギと言ったらイメージはMartinのD-28。もちろんD-45なども好まれました。
●エレキギターの場合
フォークは元々バンジョーで演奏されており、アコギに移り変わって、ビートルズの影響からエレキギターも導入されていったという経緯があります。
フォークにおいてエレキギターはコードを多用すること、また軽いサウンドが好まれるためテレキャスやストラトがよく使われます。
●ベースの場合
フォークではやはりアコギがメインになるので、「このベーシスト!」というイメージはそこまで強烈にはありません。やはり演奏性能も高く、あまりパワフルではないパッシブのジャズベタイプなどは活躍しています。