【今さら聞けない】エフェクターの基礎知識編 ~アンプ系~
記事中に表示価格・販売価格が掲載されている場合、その価格は記事更新時点のものとなります。
アンプ系ペダル
本特集のシリーズ中、冒頭に「歪み系エフェクター」や「ダイナミクス系エフェクター」と書いてきたのですが、「アンプ系エフェクター」という言葉に違和感があったので、今回は「アンプ系ペダル」としてみました。ちょっとしたこだわりです。
プリアンプ
アンプとは
プリアンプを語る前に、「そもそもアンプとはなんじゃい」から解決せねばなりません。まずこの2つのギターアンプを見てもらいましょう。
アーティストのライブ映像などで、ステージに高々と積み上げられているこのアンプ。ギタリストの憧れ、Marshallです。高さ180cmを優に超えてくるその存在感はハンパないのです。はい。
Marshallについて詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。
続いてこちら。ハンドワイヤリングで組み上げられる高級アンプ、BadCatです。このHot Cat 30Rは高さ約50cm。Marshallと比べると、大人と幼児くらいの差があります。
しかしどちらもギターアンプ。どういうことでしょうか?
「アンプ」とは本来Amplifier(増幅器)の略です。微弱な音声信号を増幅し、スピーカーで慣らすために適切な音量にまで大きくしてくれる機器の事です。
FRYETTEからもパワーアンプ単体の製品が販売されています。ここにギターを繋ぐと、パシャパシャな弱っちい音しか出ません。(そもそも出るのかな...? 試したことないので分かりません。というか、普通やりません。)
ここにはTREBLEやMIDDLE、GAINといったギターアンプらしいツマミついていませんね。そう。ギターから来た信号を受けるINPUTから各種ツマミを通って、マスターボリュームの前まで、これがプリアンプです。
つまり、アンプ(パワーアンプ)の前段(プリ)に繋ぐものだから「プリアンプ」。パワーアンプにとって十分な信号まで増幅し、さらに色もつけて送り出す部分です。
プリアンプ→パワーアンプの順に繋いで、さらにスピーカーを付けたものをみんな「ギターアンプ」と呼んでいるわけです。
ではMarshall3段積みとBadCatはなぜあんなにも見た目が違うのか?
こういう事なんです。
BadCatはプリアンプ~パワーアンプ~スピーカーまでを一つの筐体に収めています。一方Marshallはプリ&パワーアンプを「アンプヘッド」内に収め、スピーカーは別にしているのです。それによって100w以上の大出力で、数多くのスピーカーを使用しても、可搬性に問題が無くなるというワケです。
ギターアンプ後方に設置されているSEND/RETURNの端子がどういうものか、これで想像つく方もいらっしゃるのでは? そうです。プリアンプからSEND(送る)された信号がパワーアンプにRETURN(戻る)するのです。プリアンプで作ったサウンドにディレイをかけたい際など、ここに挿し込むのです。
ちなみに。
ライブハウスなどで見かける、こういった大きな「卓」と呼ばれるミキサー。これもいわゆるリアンプです。
そのプリアンプであるミキサーから、パワーアンプに入力されて、
「コロガシ」と呼ばれるモニタースピーカーに出力されるのです。
自宅で楽しむオーディオシステムもこの仕組みですし、皆さん愛用のスマホもそうです。(基本的にイヤフォンは単純にスピーカーなので、スマホにプリ&パワーアンプが内蔵されているという事です)
プリアンプ代表機種
なぜプリアンプのみが必要になるのか? ギターアンプに搭載されてるじゃん! とお思いでしょうが、ちょっと違うのです。プリアンプは、ギターサウンドを決定づけるので、いつでもどこでも自分のサウンドを出したい方のために、ペダルやラックタイプのプリアンプが存在するのです。
Hughes&Kettner TUBEMAN Ⅱ
メーカー希望小売価格 (税込) ¥71,500 (税抜 ¥65,000)
販売価格 (税込) ¥57,200 (税抜 ¥52,000)
JAN:4039373000702
史上最も売れたであろう、ペダル型プリアンプの代表格。中に真空管を搭載しているため、豊かな歪みを生み出しながら、クリーンは「ド」のつくクリーンという、万能サウンドを生み出します。これ一台で音作りをして、スタジオやライブハウスではMarshallにおRETURN端子に直!という方が多かった...
今では一昔前よりもお値段が上がってしまったり、よりコンパクトなものだったり、より多機能な物が多数出てきたので、少々落ち着いてはいるものの、人気機種である事には変わりありません。
Koch Pedaltone 4 II
メーカー希望小売価格 (税込) ¥85,800 (税抜 ¥78,000)
販売価格 (税込) ¥72,930 (税抜 ¥66,300)
JAN:4571220031946
TUBEMANブームの後、台頭するかのように発売になったKochの真空管搭載ペダルプリアンプ。Kochらしい、粒の少々粗めなサウンドが特徴で、ガッツリした歪み~超クリーンといった使い勝手の良さも魅力。
iSP THETA
オープンプライス
販売価格 (税込) ¥46,933 (税抜 ¥42,667)
JAN:4539587285150
プログラムチェンジの信号も受けられる、ペダルタイプのプリアンプ。DECIMATORでも有名なiSPが手掛けており、クリーンはもちろん歪みも気持ちの良いサウンドです。TUBEMANよりも更になめらかでクリーミーな歪みサウンドの印象です。
ORANGE BAX BANGEETAR Guitar Pre-EQ
メーカー希望小売価格 (税込) ¥60,500 (税抜 ¥55,000)
販売価格 (税込) ¥54,450 (税抜 ¥49,500)
JAN:5060299175297
これまで紹介してきたモデルよりも、はるかにコンパクトなペダル型プリアンプ。オレンジサウンドを生み出すべく、独自のクリッピング構造を採用する事によって、ナチュラルなオーバードライブが得られます。
MOOER Micro Preamp Series
オープンプライス
全ラインナップ共通販売価格 (税込) ¥10,010 (税抜 ¥9,100)
2017年のNAMM Showで発表されてから話題をさらっているMOOERのマイクロ・プリアンプ・シリーズ。ここまで小型ながら、サウンドは本格派です。特に人気なのは5150をシミュレートしたと思われる005。その他にもMarshallやFender、MATCHLESS、VOXといった有名アンプを模していて、手軽にいろんなサウンドを得られるのがお得。
全部そろえても10万円でお釣りがくる...