来日記念!Jojo Mayer ( ジョジョ・メイヤー ) さんがやってくる!
これまでも何回かにわたりドラムペダル検証記事を書いてきましたが、今回は緊急企画としてSONOR ( ソナー )のパーフェクトバランスペダルをとりあげます。
ジョジョ・メイヤーさんについて
伝統にのっとった驚異的なハンド/フットテクニックを駆使し、人力クラブミュージックともいうべきユニークな演奏スタイルで孤高の存在ともいえるジョジョメイヤーさん。
自身のバンド「Nerve」での活動にとどまらず多くの教則作品を発表するなど、現代のドラム界をリードする存在と言っても良いでしょう。
そのジョジョメイヤーさん、昨年も「Nerve」での来日公演を行いましたが、来る2017年4月12日にこちらも孤高のドラムアーティストとも言える山木秀夫さんとのなんとドラムデュオという形態での公演が行われます。
世界を代表するドラマーふたりのデュオということで、これはとんでもないことになるのではないかと思いますが、こちらではそのジョジョメイヤーさんの理想のペダルを製品化した、ソナー(SONOR)のパーフェクトバランスペダルを改めて紹介してみたいと思います。
その名もパーフェクトバランスペダル
- メーカー希望小売価格 (税抜) ¥42,000 (税込) ¥45,360
- 販売価格 (税抜) ¥35,700 (税込) ¥38,556
シンプルな見た目のペダルです。詳しく見ていく前にコンセプトをご紹介しましょう。
以下メーカーサイトより
ジョジョメイヤーの20年間にわたるベスト・ペダルの探求がここに結実!構想から開発製造まで6年間を費やし、遂に完成した【パーフェクト・バランス・ペダル】。 徹底的に「シンプル」を追求し、21 世紀のソナー・テクノロジーが、新たなヴィンテージ・ペダルの魂とフィーリングを形にしました!
なるほど、ポイントはやはりシンプルという事のようです。しかし良く見てみると、シンプルというだけにとどまらない驚きの機構と工夫がありました。詳しくご紹介しましょう。
折り畳み機構
このペダルの特徴のひとつに、ワンタッチで折りたためることがあげられます。アンダープレートがあるペダルで折りたたむ事が出来るのは、現行のドラムペダルでは唯一のモデルとなりました。そして単なる折り畳みでない秘密もあります!?さっそく畳んでみましょう。
スプリングフックを外し、紛失防止に磁石の部分にくっつけておきます。
一般的なペダルでは、収納時にスプリングフックを外しておくと、スプリングごと外れてしまい紛失してしまう、ということがあります。(私も経験あります…ライブ会場で慌ててスプリングを探す等、思い出したくもありません…)それを防止するためのたいへんうれしい機構です。
ボタンのようになっている部分を押し…
ぐいっと倒すと…
こんなにコンパクトになります。
ワンショルダータイプのケースが付属しています。
バスドラムへの取り付けも楽々
さて、畳めるだけでもたいへん魅力的ですが、もうひとつ優れた機構は、組み立てながらご紹介しましょう。
バスドラムへのセッティングは、組み立てと同時にスピーディに出来ます。
畳むときと逆に、ゆっくり起こしていきます。
完全に起こしきる前に、バスドラムフープにセット。
最後、起こし切ると同時にバスドラムフープを噛む構造になっています。
組み立てとセッティングが同時に出来るのは驚きです!!
バスドラムフープはメーカーや品番により厚さが異なるので、しっかり噛むように必要に応じて付属のレンチで調整します。しっかり噛んでいないと演奏中にずれる可能性があるので入念に調整しましょう。
※バスドラムにセットせずペダル単体で組み立てた時にガタツキがある場合がありますが、バスドラムにセットすれば固定されるので問題ない場合がほとんどです。演奏に支障があるガタツキがある場合は国内代理店での修理点検も承ります。店舗までご相談ください。
パーフェクトバランスペダルの秘密を発見!?
さて、その名も「パーフェクトバランスペダル」その名のとおり、独特のフィールがあるペダルですが、この感じはいったいどこから生まれるものでしょうか?その秘密のもとを見ていきましょう。
一般的なバスドラムペダル
一般的なバスドラムペダルは、ビーターが僅かに向こう側に傾いた時に打面をヒットするもの多いようです。(もちろんこの状態でも素晴らしいペダルは数多くあるので、この構造が悪、というわけではありません。)
パーフェクトバランスペダル
パーフェクトバランスペダルは、ビーターが垂直になった時にバスドラム打面をヒットしているように見えます。
ペダルのメインポストの高さと前後の位置関係を見直すことにより、一般的なペダルとは違う、ビーターが垂直になったタイミングでビーターがバスドラム打面をヒットする構造になっています。
垂直な位置でバスドラム打面をヒットするということは、スピードが一番乗った状態でヒットすることになるのではないでしょうか?これが、ジョジョメイヤーさんが求めたフィーリングかと思うと、感慨深いものがありますね。
(これにあてはまらないモデルもあります。また、バスドラムの脚の長さ、フープ幅等によっても変わる場合があります)
このアクション、普通に踏んだだけでも十分心地よいものですが、なにか秘密があるはずです。メーカーサイトの紹介文にある「21 世紀のソナー・テクノロジーが、新たなヴィンテージ・ペダルの魂とフィーリングを形に…」とは一体なんの事なんでしょうか。そのカギになりそうな動画がありました。
ジョジョメイヤーのフットテクニック編の教則DVDです。バスドラムの奏法においても手と同様にリバウンドを活かした演奏をする事が紹介されています。
バスドラムワークを進化させたいという願いはドラマー共通のものですが、その解決策の一つとしてこのペダルを試してみてはいかがでしょうか?
踏んでみました
(※音色の安定感少=表現力に富んだペダルです。ダイナミクスの表現力にも追従し、多彩なバスドラムサウンドを生みます)
スっと転がるようにビーターが進んでいく感覚は唯一無二のものです。伝統的なシェイプのビーターによるサウンドも太くまろやかで、ミュートが少なめのバスドラム、ヒットしたあとビーターを打面から離すオープン奏法との相性は抜群。
クローズで踏みまくる硬いサウンドを志向したドラマーには向いていないかもしれませんが、独特の軽快な踏み心地と足裏に付いてくるようなリバウンド感は、フットワークそのものを見直すきっかけを与えてくれるかのようです。
鏡面仕上げのフットボードは足裏へ絶妙なフィット感があり、スライド奏法にも最適。
ジャンル的にも大きく偏ることなく、オールジャンルに対応するでしょう。
他のアーティストも愛用
ガールズロックバンド「ねごと」の澤村小夜子さんが愛用していることでも知られています。2015年8月に札幌パルコ店主催で行ったドラムセミナーでも使用していました。図太いバスドラムサウンドでの心地よいグルーヴが印象的でした。
おしまいに
ドラムの歴史は、音楽のスタイルの変遷とともに楽器が進化し、進化した楽器からまた新たな演奏が生まれることの繰り返しだと思っています。
進化するためには、歴史にしっかりと軸足を置き、そこに新たなエッセンスを加えることで新しい歴史を創造していく、その繰り返しのなかに我々も在る、とも言えるでしょう。
今回紹介したペダルはまさにそうした新旧の美しい融合から生まれたペダルではないでしょうか。素晴らしいペダルであると同様に、奏法や楽器に若干の向き不向きもあるペダルです。しかし、その特徴を理解し、使いこなすことでさらなる新しい奏法の習得、さらには音楽の進化に繋げることにできるのではないでしょうか…さて、難しいことは置いといて、なんだかドラムが叩きたくなってきました!!
こちらもどうぞ「パーフェクトバランスペダル特設サイト」
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この記事を書いた人
札幌パルコ店 ドラム担当 鳥塚
ドラマーさんのお悩み解決のため毎日元気に営業中! ドラム情報アカウント、@tomtom_toriduka の中の人です。
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札幌パルコ店