あの曲で使われているあの音!
たとえばハード・ロックだったら歪んだオルガンで5度重ね、バラードだったら「FMエレピ」といった様に、昔から「これが無いと始まらない」という使用頻度の高い定番音色というものがあります。
各メーカーのシンセには多くのプリセット音色が収録されていますが、特に「定番音色」はチェックしておきたいものですね。
【関連記事】【シンセサイザー 定番プリセット音色と種類】シンセ音色編
音色名
プリセット音色名のネーミングは各社特徴がありますが、主に以下の様なくくりでネーミングしてされているようです。
- 製品・メーカー名:例)Jupiter-8(JP) 、Oberheim(OB)、DX、Mini Moog、Arp2600など
- 曲名:例)「Jump」「Cameleon」「Strawberry Fields Forever」「Separate Ways」など
- アーティスト名:例)TOMITA(冨田勲)、Chick(チック・コリア)など
たとえば、
- JP Brs ⇒ Roland 「JUPITER-8」のシンセブラスサウンド
- FM EP ⇒ YAMAHAのFM音源シンセ「DX-7」のエレピサウンド
- Jump Brs ⇒ OB Brs:ヴァン・ヘイレンJUMPのシンセブラス(Oberheim)
- Thriller Bs ⇒ マイケル・ジャクソンのスリラーのシンセベース
- Chick FM Lead ⇒ チック・コリアのFM音源リード
- 2600sine ⇒Arp 2600のサイン波リード(要ポルタメント)
- TB Bass ⇒ Roland TB-303のアシッド系ベース
このページではキーボード系音色をご紹介していきます。
キーボード系
アコースティック・ピアノ
●ネーミング・キーワード:「Grand」「AC.Piano」「CncrtGrand」など
クラシックからポピュラーまで、オールマイティーに使用できるグランドピアノ音色です。ジャズにも向いていますね。ピアノのプログラムの1番になっている音色が多いです。
●ネーミング・キーワード:「Rock Grand」「BrightGrand」「Rock Pno」
ロックに向いたブライトなピアノ音色です。バンドアンサンブルの中でも一際目立つ固めの音色となっています。
Saturday in the Park- Chicago
ブライトなダンス系でも使えるピアノ
Virtual Insanity / Jamiroquai
●ネーミング・キーワード:「80s Layer」「MIDIed Grand」
アコピとエレピがレイヤー(重なった)されている音色です。80年台バラードなどで定番となりました。80年代後期は後述のFM音色系エレピがよく使用されましたが、現在でも超定番といってよいでしょう。なおMIDIが生まれていない時代は、アコピとエレピをそれぞれ別に弾いてダビングすることもありました。
David Foster - all that my heart can hold
最近はエクスプレッションペダルやスライダーでバランスをとれるようなプリセットも多いです。
エレクトリック・ピアノ
●ネーミング・キーワード:「Rhodes」「EP」「Dyno」「EP Mix」
エレピの代名詞ともいえる、Rhodes(ローズ)ピアノです。
The one step - Chick Corea (トレモロ・エフェクト付き):キーワード「EP Trem 」など
フェイザーやトレモロエフェクトがかかったエレピ:キーワード「Phase EP」「Sweetness」
My Sweetness/Stuff
Grover Washington Jr. - Just the Two of Us
Tips:Dyno My Piano(ダイノマイピアノ)⇒きらびやかなサウンドが特徴な改造モデルで流行しました「Dyno EP」等
Whitney Houston - Saving All My Love For You
●ネーミング・キーワード:「Wurly EP」「Wurli」「Super Wurly」
Wurlitzer(ウーリッツァー)系:ローズと双璧をなす有名ブランドです。
Carpenters "Top Of The World"
Donny Hathaway - What's Goin' On (Live)
●ネーミング・キーワード:「CP」「Electric Grand」
YAMAHAのエレクトリックグランド(ハンマーアクション方式でピックアップで音を拾います)・・「CP-80」「CP-70」などが有名。80年代の音楽シーンを象徴する音色の一つです。トレモロやコーラス、フェイザーといったエフェクターもよく使われました。
1983 • George Duke Band - Solo Flight
●ネーミング・キーワード:「FM」「DX」
最近「reface DX」でも復活したFM音源。YAMAHAのFM音源シンセ「DX7」のエレピサウンドが有名です。
The Best Of Me by David Foster and Olivia Newton John
クラビネット
●ネーミング・キーワード:「Clavinet」「Clav」「D6」
クラヴィコード(弦を金属で叩くチェンバロに似ている楽器)のような構造を持ち、電気ピックアップで音を拾うタイプのキーボードです。ファンキーなバッキングでよく使用されます。Hohner(ホーナー)社の「D6」が有名。略して「クラビ」。奏法的には「捨て音」とも呼ばれるゴーストノートが肝。
Stevie Wonder / Superstition
フェイザーのかかったクラビ
Steely Dan / Black Cow
捨て音参考動画・・・原曲とは微妙に異なりますが、ニュアンスはわかると思います。音符と音符の合間に非常に短い音が入っていますね。(Youtubeの再生速度を0.5くらいにするとわかりやすいです)
無理やり譜面にするとこんな感じですね(黄色枠がゴースト)
【関連記事】初心者のためのエレピ入門~エレピって何でしょう?
【今さら聞けない用語シリーズ】エフェクターってなに?モジュレーション系 <その1>コーラス、フランジャー、フェイザー
オルガン
ドローバー方式のHammond(ハモンド)を始め、VOX(ヴォックス)、Farfisa(フィルフィッサ)といったトランジスタ型コンボタイプのオルガンが現在でもロックやジャズで活躍しています。
●ネーミング・キーワード:「888」「Perc Organ」「Purple Spin」「cat org」「vox org」など
The Greatest Hammond Organ Solos - Part 1
A Whiter Shade Of Pale - Procol Harum
下図はNATIVE INSTRUMENTSのバーチャルインストゥルメント「Vintage Organ」の画面ですが、アッパー(上鍵盤)音色が左から3本引っ張られています。このセッティングを数字で表すと「888000000」⇒「888」というわけです。なお全部引っ張りだした状態(フルドローバー)は「888888888」となります。
ドローバー式オルガンについてはこちらのリンクをお読み下さい。
Jimmy Smith - The Cat
Barbara Dennerlein & Rhoda Scott on Hammond B3 Organ
The Doors - Light My Fire
左手はローズ・ピアノベース、右手はVOXコンチネンタル・オルガン
オルガンについての詳細は下記参照。
<その2> ロータリー、トレモロ、パン、オルガンの仕組み""class="embed-card embed-webcard" scrolling="no" frameborder="0" style="display: block; width: 100%; height: 155px; max-width: 500px; margin: 10px 0px;">
真っ赤なステージ・キーボード VOX CONTINENTAL 61 / 73 発表!
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KORG KRONOSのプリセットは曲名が付いているのでわかりやすいですね。
例)Just The Two Of Us EP、Light My Fire Organなど
この記事で知ることができるのは?