番外短編集『作曲少女Q~曲を作れるようになった私が気になったことの話~』
『インプットという病の話』
「わかってきた。わかってきたよ……」
珠ちゃんから教わった、気に入った音楽のルーツからさらに自分の好きな音楽を探していく"音楽数珠繋ぎ"という聴き方を覚えた私は、あれから一週間、いろんな音楽を聴き、いろいろ考えていた。いやぁそれにしても、ベースラインのカッコイイ曲って、あるね。全然違うね。やっぱり、どうせ作るならこういうのじゃなきゃ。
やっぱり洋楽はクオリティすごい。洋楽ヤバい。時代は洋楽だよ。J-POPも悪くないけど洋楽が良過ぎるっていうか。うん。具体的なことはおいといて、なんかもうスタンスがすでに違うよね。あと、クインシー・ジョーンズはヤバい。クインシー聴いてないのに音楽語るとかちょっとナイって思う。なんかこう、体に入ってくる深度からして違うよね。
「うーむ。音楽っていいものだね……」
いま私のイマジネーションはかなりヤバい。超ヤバい。
*~*~*~*~*~*~*
「おはよー珠ちゃん」
「おっす。ありゃ? なんかいつもよりテンション低めだな?」
「あはは、土曜だったしいいかなと思って、ちょっと夜中まで起きてたから、寝不足で」
今日は久しぶりに珠ちゃんちで遊ぶ約束をしていた私は、朝9時くらいに珠ちゃん邸を訪れている。
「そうなのか。あれか? 曲作ってて寝てない的な?」
「え? ああ。曲は作ってないんだ。音楽聴いてた。インプットって大事だね。なんかいろんなこと考え直したかも」
「おお、そうなのか」
「私、ちょっとわかってきたよ珠ちゃん。音楽って無限大だね」
「……? おお」
「いままで私、音楽をなんとなくでしか聴いてなかったって思った。なんかこう、聴くっていうか"感じる"って感じだよね! あと、ヤバい音楽はもうとにかくヤバい! なんか、もう音っていうか生き様だよね。商業主義に毒されてない純粋なアートっていうか。なんかもう自然体のサウンド! あと、最近のアニソンってレベル高いね。アートの域にあるかっていったらまだチョットって感じだけど、もうひと息って感じ。あ~っ! それにしても、クインシー・ジョーンズはとにかく凄いね! やばいよね! クインシーの良さがわからないのに音楽好きとか言ってるの、なんか世界狭過ぎだよね~!」
「ちょ……ちょっとまて、落ち着けいろは」
「え?」
「なんとなくだが、なんだか嫌な予感がする」
「へ? なにが? ……嫌な予感?」
なに言ってるんだろう珠ちゃん。すごい怪訝な顔してる……?
「いや、でもまぁ、考え過ぎか……?」
「どうしたの珠ちゃん?」
なんだろ、珠ちゃんの反応が予想してたのと違うというか……。もっと音楽トークに乗ってくると思ったんだけど……?
……珠ちゃんは頭をかくと、なんだか複雑そうな顔をしつつ、少し考えて言う。
「……いろは、まぁいろんなこと考えてるのはそれはそれで良いとして、ところでさ、曲は作ったのか?」
「あ、曲はまだ作ってないんだ。でも大丈夫だよ。イメージはあるんだ。もっちろん!」
そう。ここ1週間ほど私は、いろんな曲を聴きながら自分が作りたい音楽のイメージを固めていた。ふふ……ただ楽しんで聴いてたわけじゃないよ! 私だってやるときはやるんだから。
「おお、それは良いことだな。イメージがなきゃ何も作れないしな」
「でしょ! 私もそう思ったんだ。だからいっぱい考えたの! 音楽ってベースラインすごく大事なんだね~!」
「ああ、ベースラインは大事だな。それ一つでビックリするくらい変わるしな」
「うん。いろんな音楽聴き比べて、なんかそういうのちょっとわかるようになったかも」
「よし、うん。そうか。なんでもないや。どうやらあたしの勘違いだ。じゃあ今日はうんと作曲しちゃうか!」
「うん!」
*~*~*~*~*~*~*
そして今日は、ちょっと久しぶりに珠ちゃんちでおしゃべりとかしながら曲作り。なんか、さっき珠ちゃん様子おかしかったような? まぁいっか。……そして私は、珠ちゃんの制作机に座って新しい音楽データを立ち上げる。
「さてと、じゃあまず―――」
「大丈夫! 自分でやれるから、珠ちゃんは漫画とか読んでて♪」
「……おお、そうか。そうだな、もう一人前だもんな。すまん、つい癖で」
「あはは、うん♪」
私が1曲目を完成させたあの日から、1週間が経った。そして今日は、さらにパワーアップした私による2曲目を作る日。ふっふっふ! 珠ちゃんがビックリするような凄い曲を作って、アッと言わせちゃおうかな♪ イメージはもうあるんだ♪
「えーっと、まずはメロディだよね。 ……ふんふーん、ふふんふー……」
私は、頭の中に描いている感じのメロディを鼻歌で歌う。そうそう、こんな感じ。そしてそれをパソコンに打ち込んでいく。いいぞ、その調子。いい雰囲気。
……おっと、いや、これじゃダメだ。これじゃグッとこない。なんかこう、違うんだよね。もっと良いのが出るはず……。
「う~ん……。あ……」
これとかどうかな……? あ、悪くないかな。うん。わりとサビっぽい。いい感じ。あーでも、私のビジョンとしてはこれじゃまだ足りない感じするなぁ……。
*~*~*~*~*~*~*
「首尾はどうだいろは?」
「ちょ……ちょっと待ってね……」
ひとりで作業してる後ろで、珠ちゃんは最近ハマってるらしいジャグリングの練習をしている(いまはボール4つに挑戦してるらしい)。そんな珠ちゃんを背後にあれから2時間、私はほとんど何も進まないまま鍵盤とにらめっこしている……。
「なかなか降りてこないんだ……」
「そうか」
珠ちゃんはさらっとした返事をして、引き続きジャグリングの練習を始める。……あーどうしよ、なんかアイデアとか貰おうかな……でも私、自分でやるって言っちゃったしなぁ……。
*~*~*~*~*~*~*
「どんな感じだいろは?」
「…………もうちょっと待ってね……」
それからさらに1時間後。汗をかいている私。曲はほとんど何も進んでいないまま。ほんの少しフレーズっぽいのを書いたりもしたけど、それもあんまり気に入ってないし、書いては消してを繰り返している。ビジョンはあるつもりなんだけど、でもこんなクオリティじゃそもそも作る意味もないし……。
「……さてと。いろは、ちょっと休憩するか」
「う、うん……」
ジャグリングのボールを器用に頭に乗せながら、珠ちゃんが言う。
「あたしは結構進んだぞ」
「あはは、そうみたいだね」
「よーし見てろよ」
そう言いながら、珠ちゃんは4つのボールを交差させて投げる。
「おっと! おっとっとと! あーっ!」
自信満々の顔してたわりには、わりと普通に失敗する珠ちゃん。
「難しそうだねぇ~」
「うーむ、やはりこういうのはあれだな、人前でやらなきゃだな。今度駅前とかでやってみようかな。あーでも、それだと下手なの見られちゃうし、ちょっと恥ずかしーなー。こう、スパスパーって感じであざやかにキメる感じでいきたいんだけど」
「え? でも、むしろいいんじゃない? 人に見られた方がうまくなるかもしれないよ? なんていうか、その方が珠ちゃんぽいっていうか」
「あっはっはっはー。まったくだ」
あれ? 珠ちゃんのいまの言葉、笑ってるけど、なんだか笑ってない感じがした。なんていうんだろう、ちょっと棒読みっぽいっていうか……?
「まぁ、あたしなら明日にでも人前でジャグリングやるだろうね。恥ずかしいって言ったのは嘘だ。……なんの話をしようとしてるのかっていうとね、なんていうかな……自分では気づいてないだろうけど、いろはは今ある病気にかかっているんだ」
「え?」
なに、え……病気……?
「病気? どこも悪くないと思うけど……」
「自分ではなかなか気づかないんものなんだよ」
ジャグリングのボールをベッドの上に転がすと、あぐらをかいたまま珠ちゃんは言う。
「いろはは今『こんなにビジョンがあるのに曲が仕上がらないのはなんでなんだろう』って、思ってるんじゃないか?」
「え!? あ、えっと……うん」
「いろはが今曲を作れないのには、ちゃんと理由があるんだ。そしてそれは、創作の世界ではもっともポピュラーな病でもある。『インプットという病』だ」
「『インプットという病』?」
「または『インプット過多による創作便秘』とも言う」
「……!? え、ちょ、今なんて!? 創作……便秘!?」
それは女の子にあるまじき発言だよ珠ちゃん!
「これはとてもよく見られる創作における症状のひとつなんだよ」
「なにそれ、え? 私……その……便秘なの?」
「まぁ比喩的な意味だよ。いろははさ、理想的な曲を作るために、いろいろ観たり聴いたりした……つまり"インプットした"んだろ?」
「うん……? そうだと思うけど……?」
「それで多分、インプットの量が多くなりすぎてしまったんだ」
「どういうこと?」
「もっと一般的な言葉で言うと、"耳が肥えてしまった"かな。理想が高くなったとも言う。たしかに、見る目があるっていうのは大事なことだ。良いものを知って、感動しないと良いものは作れない。それはとても理にかなってる話ではあるんだけど……でもさ、いろはっていま、まずまともに曲を作ることすらおぼつかない段階だろ?」
「うん」
「たとえば、似顔絵も上手に描けないような人が、ダヴィンチみたいな絵が描けるわけがないってのはわかるよな?」
「うん」
「でも、もしダヴィンチの絵を見慣れ過ぎてしまって、しかもダヴィンチみたいな絵を描きたい、ダヴィンチみたいな絵じゃなきゃ無価値だ! と思いすぎてしまったら、その人は自分の絵の下手さが嫌になって、何も描けなくなると思わないか?」
「あ~~……うん」
「……今いろはの頭の中で起こってるのは、つまりそういうことだ。たしかにクインシー・ジョーンズや久石譲は素晴らしいミュージシャンだけど、あれをベストと思いながらじゃ理想が高過ぎて、自分の作曲力の現状に耐えられず、作ってて心が折れる。せっかくどうにかしてフレーズを捻り出しても『これじゃない!』ってすぐ思ってしまって、ワンフレーズすら作れない。そんなケースがよくあるんだよ。あたしはそれを『インプット過多による創作便秘』って呼んでるんだ」
「な……なるほど……」
「ちなみにこれがなぜ頻繁に起こる症状なのかというとね……」
珠ちゃんは、少しいたずらっぽく笑いながら言う。
「作品を読み解いて評論するっていうのは、超超簡単にクリエイター気分を味わえるものだからなんだよ。とくに努力も能力も必要ないことなのに『わかる』=『できる』と思い込んでしまうんだ。観るのも聴くのも読むのも、受け取るだけだし簡単だ。そこに工夫はいらない。そもそも作品は、受け取る人に伝わるように考えられて作られてるケースがほとんどだからね。もしわからないものだったとしても、自分のサジ加減で抽象的に評論しちゃえばまるで深みのあることを『わかってるような気分にもなれる』し、『作れるような気分にもなる』。実際に作れるわけでもないのにね。でもそれは、手軽だし楽しい気分になれるから、ついうっかりインプット&評論にハマってしまう人は多い」
……ああ、なるほど……。
「これをこじらせるとどうなるのかっていうとね、やたら熱心に人の曲についてあーだこーだとわかったようなことを言う、超めんどくさい音楽評論エリートさまになっちゃうんだ。それが周りから見たらどれくらい残念な様子なのか、本人が自覚できることは少ない。いろははまさに、その入口に片足をつっこみかけてるんだよ」
「……ぐう……」
ああ、なるほど、ああなんか、なるほどだよ……ぐぐ……。
「そ、そうだね。私、理想だけ高くなってたかも。作れないのに」
「そう、症状が軽いうちはそんな風に、結構すんなり受け入れられる。けど、この症状がもう少し悪化したら、あたしの言ったいまの言葉だって『それは違う』とか言いながら、わけのわからん筋の通らない理屈を並べ立てて否定するようになっちゃうんだ」
「そうなの?」
「ああ。かなりの確率でね。そうしないと、心が壊れてしまうからな。防衛本能がはたらいて、破綻しまくってるでっちあげの理論武装で『作らない自称クリエイターの自分』を守ろうとするんだ。こじらせてしまったエセ評論家の自分という事実を認めるのは、あまりにもキツいからね。でも、何も作れないのにクリエイターを名乗るっていうのは、料理が作れないのに料理人を名乗ってるのと同じくらい滑稽だ。友達なら、言ってやった方がいい」
「うう……じゃあ今朝の私は、だいぶイタい感じだったんだね……」
「もちろん、全部が無駄ってわけじゃないけどね。適度にいろんなものを知っておくのは大事だ。けど、インプットなんてね、意識的にやってなくても勝手に入ってくる分くらいでちょうど良いんだよ。もともと、興味ってのは自分で無理矢理振るわせるものでもない。普通にしてるときに普通に興味をもったものを普通に楽しんで、普通に感動すればそれで十分なんだ。成長するぞ! と思ってやたら作品に"感動しようとする"と、それは自分の心が捏造した感動になる。でも本当の感動っていうのは、感動しようと思ってたわけでもない時に不意打ちでうっかり『感動させられてしまう』ものなんだ。だから、インプットなんてものはそもそも意図的にやる必要はない。普通に生きて普通に触れたものに感動する。それで十分なんだよ」
……正直、深過ぎてちょっとわかんないけど、たぶんそういうことなんだろうなぁ……。
「それにもともとね、本来のインプットって言葉の使い方を間違えてる人も多いんだよ」
「本来のインプット?」
「インプットっていうのは元々、『興味はないけど必要に迫られて資料的な情報を頭に叩き込む』ことを指す言葉だ。世間でよくインプットって言われてるのは、単なる娯楽ってことの方が多い。そしてそれについて、なにもやましさなんて感じる必要もないんだよ。『今日は遊びにきました!』って思いながら映画でもライブでも観ればいいのに、なんだろうな、インプットという病にかかってる人は、どうしてもそこで『真面目に感動を吸収しようとしてる人』になりたがってしまう。インプットなんて言葉は使わずに普通にしてればいいんだよ。普通に楽しめば普通に、ちゃんと感動するんだから」
……ああ~、珠ちゃん全開だ。本当に、なんなんだろうこの子。
「珠ちゃん、改めてその悟りきった感じ、凄いね……人の心の闇をくまなく照らすというか……」
「……おっと、どうやらいろははまたあたしを何か特別才能のある存在だと思い始めてるな?」
「え……うん」
「だから、違うって言ってるだろ。あたしがこのインプットという病についてこれだけ明確に症状を把握してるのは、ほかでもないあたしがバッチリその重病患者だったからだ」
「え!? そうなの!?」
「そりゃあもう、あたしの病は壮絶だったぞ! レンタルショップで片っ端から音楽DVD借りてきて、あれはすごいだのこれはすごいだの、ライナーノーツ通りの言葉をせっせとしゃべって、なんか凄いっぽい音楽聴いたらいちいちそれを凄い凄いって触れ回って、別に大して好きでもない音楽を『深い……』とか言ってみたり、ろくに良さがわかりもしないビートルズを最高だって言ってみたり、『今日はインプットで1日ゲームするぞ!』とか平気で言ってたもんな。もう超クリエイター気分だったよ。でも、それは『クリエイターになりたい』ってだけで、『作りたい』とは全然違うものだったんだ」
「……やっぱり、なんかちょっと想像つかないなぁ……。珠ちゃんにもそういう時期があったなんて……」
「肝心なのはね、それでも結局『作りたい』が上回るかどうかなんだよ。よく語り草になることだけど、インプットしてる暇があったらとにかくもっと作りたいと思う気持ち、それが、実際にクリエイターになっていく人の根本的な素質なんだ」
「なるほど……」
だったら私はどっちなんだろうなぁ。どちらかといえば『作曲家になりたい人』なのかもしれないけど、作りたいって気持ちも少しくらいはあると思う。多分。
「で。インプットという病を治す方法についてなんだが」
「え!? それあるの!?」
「もちろんだ。重病を克服したあたしの体験に則したとても効果的な方法だよ。……耳が肥えてしまって自分の作るものに納得がいかず、何も作れなくなってしまう創作の病……。これを突破する方法は……」
「方法は……?」
「『ダサいものを作ってしまえ』だ」
「え」
「嫌そうな顔をしたな。ダサいものを作るんだよ。うわぁこれはないわぁってもので良い。人に見せなくていいから、ダサいものを作る。ダサいものを作るつもりで作る。かっこよくなりそうになったらむしろダサくするくらいでちょうど良い。ダサいものを作るってことを目標にして、1曲作ってみるんだよ」
えー……。やだなぁ……。
「そんなに嫌そうな顔をするなって。インプット病を治すには、まず自分の等身大を改めて思い出す必要があるんだ。そして、出すもの出さなきゃ便秘は終わらない。なんでもいいから一番出やすいものをとにかく出して、曲を仕上げるっていうそのプロセス自体を癖にするっていうのが大事なんだ」
「うん……。でも、もうちょっとキレイな言い方ないのかな……」
「あはは! これはあるロックミュージシャンが言った名言なんだけどね、インタビュアーの『あなたにとって曲作りとはなんですか?』って質問に『曲作りはウ○コみたいなもんだよ。作るというより、出す』って答えてたことがあるんだ。これは本当に、あーなんか、そうだなぁって思った」
「そっちに話題がいかないように誘導したつもりだったのに、ガッツリそっちに行っちゃったね珠ちゃん……」
「音楽をやたら聖なるものにしたがる人は多いけどさ、人間っぽいから音楽は胸に響くんだと思うよ。聖なるものは人間ぽくないと思うんだよな。それは清廉潔白な理想なのかもしれないけど、愛嬌はない。あたし個人の趣味としては、やっぱり愛嬌のある音楽が好きだな。作るというより、出していきたいもんだね」
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そんなわけで私は、仕切り直しつつまた曲を作り始める。ものすごいやつを作るつもりじゃなくて、まずは私に出来るもう一歩だけ進んでる曲。うん、たしかに珠ちゃんの言う通り、なんか変に意気込み過ぎてたかも。
「まぁ、理想が高いのも見栄っ張りなのも、良いことだと思うけどね。言い方を変えれば、それは純粋な向上心だ」
「うん。そんな気がする」
「向上心の裏返しだからこそ、これは永遠に治らない持病みたいなもんでもある。だから、上手に付き合っていかないとね。とりあえず、理想が高くなり過ぎて作れなくなったら"なにがなんでもとにかく出す"これが対策だって覚えとくといいよ」
そして少しずつ形になる、別にすごくない等身大の私の曲。でも、まずはこれが大事。そういえば、これが私だった。
「私、ちょっとわかってきたよ珠ちゃん」
「なんだ? 『音楽って無限大だね、商業主義に毒されてない純粋なアートがどうのこうのでクインシー聴いてない人は世界が狭い』か?」
「うわああああああ!」
き……今日はここまで!
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