ハイレゾとは?DSDって何?【今さら聞けない用語シリーズ】

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DSDとは?

ハイレゾ・ブーム?の昨今、DSD形式のハイレゾ・オーディオというものが注目されています(日本オーディオ協会によってDSDもハイレゾとして扱われています)

DSDというのは「Direct Stream Digital」の略で、CD-DAやDVDビデオのPCM方式(16bit44.1kHzなど)ではなく、ΔΣ変調(デルタシグマへんちょう)とよばれる原理でデジタル化する方式のことです。DSDは高サンプリング周波数、低ビットが特徴で、たとえばCDの64倍の「2.8224MHz(=2822.4kHz)、1bit」という、サンプリング周波数が非常に大きな単位(※)でデジタル化されています(5.6448MHz、1bitなどもあります)

PCM方式と比較すると低ノイズ、瞬発力の高さ、データ量の軽減等々の特徴があり、PCMに代わる今後の主流となるといわれているようです。

1bitとはどういうことか?

※PCMの場合、音の大小を記録するビットレイトは24bit、96bitなどですが、DSDの場合は1bit(0か1か?)しかありません。DSDでは音の大小を空気振動の粗密として考え記録します。その際、時間辺りの0(ない)か1(ある)の数を膨大に持つことで(=高いサンプリング周波数)で空気振動の粗密を記録できる・・・というイメージです。

 

500px-DSDlogo.svg  photo by wikipedia

この原理を採用しているものには「SACD」がありますが、最近はこのDSDに対応したレコーダーやインターフェース(DAC)などが多く発売されています。また先ごろCakewalk社のDAW「SONAR」の最新バージョンではDSDに対応すると発表されています(どのレベルの対応なのかは未定です)

※DSDにはDSDIFF、DSFなど様々なファイルフォーマットがありますがそれぞれに互換性はありません。

注)「1bitオーディオ=DSD」という認識の方もいらっしゃると思いますが、実際にはΔΣ(デルタシグマ)変調だけが1bitオーディオというわけではないとのことです。

ハイレゾ・オーディオを楽しむには何が必要?

さてそれではハイレゾ・オーディオを楽しむためには何が必要なのでしょうか?ざっと以下の様なものになるかと思います。

  • パソコン(ブロードバンド・ネット環境必須)
  • ハイレゾ対応再生ソフト(※)
  • ハイレゾ対応再生機器(DAC、オーディオ・インターフェース、ポータブルプレーヤーなど)

※)ハイレゾ対応ポータブルプレーヤの場合は、再生機能が本体に備わっているので再生ソフトは別途必要ないかと思います。なおリスニングスタイルに応じて

  • ハイレゾ対応イヤホン、ヘッドホン
  • アンプ・スピーカー等

が必要になってくると思います。

パソコンにイヤホンを接続して再生ソフトで再生することもできますが、これではハイレゾの意味がありません(PCのノイズや、再生の時点でハイレゾではなくなっているのです)これは超高画質の映像作品をブラウン管の白黒テレビで見ているようなものですね。そこで上記のような専用機器が必要になってくるのです。

1)ポータブルプレーヤーでどこでもお手軽再生

PC_Player_ear

SHURE(シュア) SE846CL-A


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E17K - USB DAC + ポータブル・ヘッドフォンアンプ

Fiio_E17K

(税込) ¥26,400 (税抜 ¥24,000)

JANコード:4582387101748

2)USB-DACまたはオーディオ・インターフェース

DACというのは「digital to analog converter」の略でデジタル信号からアナログ信号に変換する(D/A変換)機器のことです。

広義にはUSB DACもオーディオ・インターフェースの一種ですが、DACはD/A変換=すなわち出力のみのリスニング向けオーディオ・インターフェース。D/A変換だけでなくギターやボーカルなどのアナログ信号をデジタルに変換してパソコンに取り込む機能(A/D変換)=すなわち入出力機能を持っている「音楽制作向けオーディオ・インターフェース」が一般的には「オーディオ・インターフェース」と呼ばれているようです。ややこしくてすみません。

USB-DACとオーディオ・インターフェースの違いをまとめてみます。

  • オーディオ・インターフェース:音楽制作向き:入出力対応(AD/DA)
  • USB DAC:ハイレゾに特化したリスニング向き:出力のみ(D/A)

PC_DAC_SP

※アンプが内蔵されていないスピーカーを使用する場合は別途アンプが必要となります。

最近は192kHz、24bit対応といったオーディオ・インターフェースも多いので、オーディオ・インターフェースでハイレゾ・オーディオを楽しむことはできます。DSDに対応している音楽制作用オーディオ・インターフェースはまだ少数のようです。DSD音源リスニング・オンリーであればRoland のMobile UAのようなUSB DAC、等がおすすめです。

こちらはコンパクトな Roland Mobile UA ( UA-M10 )


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【関連記事】Roland Mobile UA(UA-M10)発表!DSD&PCM対応の超小型高音質USB DAC登場

ムジーク・エレクトロニクガイザイン RL906


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ハイレゾ再生ソフト

パソコンでハイレゾ・オーディオを再生するためにはハイレゾ対応ソフトが必要です。たとえば無料の iTunes はDSDやFLACは非対応です(2015/2現在)Windows対応「foobar2000」等のフリーウエアや、Windows Media Player 12の場合は、特定のコーデックをインストールしたり、各種設定もかなり複雑なので今回はあえて取り上げませんでした。どうしても無料が良いという方はGoogle検索で色々と出てくるので、自己責任でよろしくお願い申し上げます。

foobar2000

0001

というわけで、ここではKorgのAudio Gate3ご紹介いたします。

AudioGate00

「AudioGate3」はダウンロード後にDS-DACシリーズ、MRシリーズ本体を接続してライセンス認証を行うことにより、正規版として使用することができます。同シリーズのユーザーでない場合は、機能制限付きのライト版を無償で使用可能です。

AudioGate01

【ライト版の制限事項】

  • DSD再生は44.1kHzまたは48kHzのPCMへの変換再生になります。
  • 出力サンプリング周波数は44.1kHz、48kHzのみ
  • 編集機能:分割、統合、チャンネルリンク不可
  • エクスポート不可
  • リアルタイム変換処理:低負荷のみ対応
  • デイスク作成

正規版のAudioGateは、MP3やAAC、44.1/48kHz ~96/192kHz のWAV、FLAC、DSDという幅広いファイル・フォーマットに対応しています。また量子化ビット数やサンプリング周波数の違いのみならず、異なるファイル・フォーマットとの混在したプレイリストによる再生も可能となっています。

http://www.korg.com/jp/products/audio/audiogate3/index.php

ライセンス購入はこちら

2015/6/18 追記:ティアック株式会社が、DSD 11.2MHz/PCM 384kHz 32bit対応の 波形編集ソフトウェア『TASCAM Hi-Res Editor』 Windows版をTASCAM(タスカム)ブランドで無料配信を開始しています。

ハイレゾファイル編集が可能なソフトウェア TASCAM Hi-Res Editor 無料ダウンロード

Audirvana Plus

Mac専用でしたが最近Windows版もリリースされた定番ハイレゾ対応オーディオ再生ソフトです。

体験版のダウンロードは下記より

https://audirvana.com/


おまけ:ハイレゾ・オーディオを購入できるサイト紹介

ototoy : http://ototoy.jp/top/

OTOTOY

e-onkyo music : http://www.e-onkyo.com/music/

e onkyo music

mora : http://mora.jp/index_hires

mora

Victor studio HD-Music : http://hd-music.info/

VICTOR STUDIO HD Music

販売されているハイレゾ・オーディオがご自分の機材、環境で正常に再生できるかどうかは必ず各サイトでご確認ください。

そんなわけでハイレゾについて色々とご紹介してきましたが、そもそも「ハイレゾってほんとうに音が良いの?」「ちゃんと聴き分けることができるの?」といったご意見もあると思います。あと世の中には単にビットレートとアップサンプリングしたいわゆる「偽レゾ(ニセレゾ)」と呼ばれる音源もあるようで話はややこしくなるのですが、上記で紹介した配信サイトには無料ハイレゾ・サンプルをダウンロードできるところもありますので、実際にご自分の耳で確かめていただきたいと思います。それでは~

【関連記事】【今さら聞けない用語シリーズ】初めてのオーディオ・インターフェース選び

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