こんにちはサカウエです。私達の周りは「デジタル」という言葉で溢れていますね・・光デジタル、デジカメ、デジイチ(デジタル一眼レフカメラ)、地デジ、・・・「デジタルパーマ」ってのもありますがこれはデジタルとはあまり関係なさそうです。本記事では多くの死語が含まれています
そして「デジタル」の正反対という意味合いで使われるのが「アナログ」という言葉ですね・・・アナログシンセ、アナログレコード「自分は機械音痴のアナログ人間ですから・・・(※)」と自らを例える方もおられます。
※アナクロ(時代錯誤)とアナログの混同による誤用という説あり
※本記事では主にCDDA(音楽CD)やDVDに代表されるPCM信号について説明します。
アナログとデジタル
デジタルとアナログについては一般的に
- デジタル ⇒ 新しい、機械的、コンピューター、音楽CD、iTunes
- アナログ ⇒ 古い、温かい、LPレコード
のようなイメージを持たれている方が多いのではないかと思いますが、実際に両者の意味、違い、特徴を説明するのは簡単ではありませんね?
というわけで今回は主に、音の分野における「デジタルとアナログ」について、おさらいすることにいたしましょう~
アナロ熊(著作権フリー)古!
音の正体については下記記事をお読みください。
【関連記事】【今さら聞けない用語シリーズ】音の基本知識 音とはなんでしょう?
アナログとデジタルの違い
そもそも「アナログ」と「デジタル」とは、何かの「量」を表す「情報」の違いになります。「量」というのは例えば果物のように1個、2個と数えられるものもあれば、距離のように1、2メートル・・と測定できるものがあります。
たとえばリンゴの個数は指で「1,2、3」のように数えることができます(1.7のような半端がないですね)一方、距離や速度といったものは「1.358523・・m」のようにいくらでも細かく測定できてしまい、キリがありません。
ということで両者を少々難しい言葉で表顕すると
- デジタル量=離散量 例)デジタル時計(数字で表す)
- アナログ量=連続量 例)アナログ時計(針で表す)
というように呼びます。暗記の必要はありません。
デジタル時計では現在の時刻は「11時35分02秒」と表示されますが、アナログ時計(秒針がないとして)では「だいたい11時35分あたり・・」といった曖昧な表現になります。
パソコンとの相性が良いデジタル
デジタルの場合は「0,1」のように数字で表すことができるので「パソコンとは相性が良い感じ」とイメージできると思います。アナログの場合は連続するあいまい量なので、パソコンで扱う場合はいったん厳密に「デジタル情報に変換」しないといけません。そして
- アナログ(Analog)からデジタル(Digital)に変換すること
- アナログ/デジタル変換 ⇒ A/D変換
- デジタル(Digital)からアナログ(Analog)に変換すること
- デジタル/アナログ変換 ⇒ D/A変換
と呼びます。パソコンに取り込んだデジタル化された音はパソコン内で処理され、音として出力するには再度アナログデータに戻してやることが必要となるわけです。
イメージ
読み方:えーでぃーへんかん、でぃーえーへんかん
ではアナログ情報をデジタル情報に変える・・とはどういうことか詳しく見て行きましょう。
アナログ情報
音を連続的な変化である「アナログ情報」として記録する場合について考えてみましょう。アナログ・レコード(バイナル)やカセットテープは音の波をそのまま記録する方式です。レコード盤では音の波がそのままの形で溝に刻まれ記録されています。
アナログ盤
カセットテープ(見たことない方もいるでしょうが・・)では音を磁気の変化として波の形が磁気テープに記憶される仕組みです(磁気記憶といいます。磁気記憶にはデジタル方式もありますが、ここではパス)
カセットテープ(Lカセットを知っている人は・・古い人ですよ・・)
さてここで
- 「音をそのまま記録するなら、アナログのほうがデジタルよりも優れているのではないか?」
という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。確かに元音を100%そのまま記録し、再生できるのならばアナログ方式の方がデジタルより優れているように思えますね・・
しかし実はアナログ方式にはとても大きな弱点があるのです。それは・・・
アナログの最大の敵「劣化」
アナログ方式には、デジタル変換する際に誤差などが生じないという利点もある一方、「劣化」という避けては通れない難関が存在します。
ある音を記録媒体(レコード盤、磁気テープ、等)に記録するとします。しかしこの記録媒体は必ず時間が経つと変質します・・人間も同じです(泣)
たとえばレコード盤であれば、レコード針の摩耗による「プチプチノイズ」、材質である塩ビ(ポリ塩化ビニル)の経年劣化によってアナログ情報の変質が生じます。磁気テープも同様で、再生ヘッドによる摩耗やテープの伸びや切断といった現象は避けることはできません。
他にも複製や転送をする際も生じるこの「劣化」は、アナログ情報にとってはどうしても避けることのできない最大の弱点ということができるでしょう。そこでデジタルの登場というわけです。
デジタル情報に変換するとは?
音のアナログ・データをデジタル・データに変換するということは、いったいどういうことなのでしょう?
デジタル量は1,2,3といった数で表すことのできるものと言いましたが、デジタル情報というのは「0か1」すなわち「なし」と「あり」という二種類の記号だけで何かを表す方法です。
たとえば0と1だけでは2つの情報しか表せないとしても「10110011」といったように、桁数を増やしていけば表現できる数もどんどん多くなっていきます。
このデジタル技術を使い音楽や映像を記録している代表格が「CD、DVD、ブルーレイ」、「iPod」等のデジタルオーディオプレイヤーなどで聞くことのできる音楽というわけですが、この「ある・なし」で記録されるデジタル情報は、データを受け渡しする際のノイズや、劣化というものに対しては非常に強い性質を持っています。また複製も容易です。
CD(コンパクトディスク)wikipedia
このようにアナログレコードは「形」で音を記録するのに対し、音楽CDでは「数値」で音を記録する仕組というわけです。
では次にいよいよ「音」におけるアナログ情報のデジタル化について説明したいと思います。誰しも一度は聞いたことのある用語「サンプリング」も登場します。