是非クラブに置いてほしい4ch DJミキサー登場!
DJ機材レビュー担当のハギオです。
今回はSeratoのオーディオインターフェイス機能を内蔵しながら、比較的お手頃な価格の4CH DJミキサー Reloop(リループ)「RMX-90 DVS」がヤバい!!ってことでDirigentさんにデモ機をお借りしてチェックしてみました。
予想していた以上にクラブで便利な機能が満載でした。
USB HUBも搭載!Serato DJとのHID接続に便利!!
クラブに置いているPioneerDJミキサーの操作性に近いけど低価格!そんな人気のDJミキサーといえば、「RMX-60」や「RMX-80」です。‥が、クラブDJを中心に今注目されているのが、このSerato DJ用サウンドカード内蔵タイプの「RMX-90 DVS」です。
4CHのDJミキサーでは、「DJM-900SRT」がSeratoのDVSに対応しており、「RMX-90 DVS」に近い仕様と言えるかもしれませんが、25万近い価格なので簡単に買える価格ではなかったですね。
それから、「DJM-900NXS」や「DJM-900NXS2」、「DJM-850」などがSeratoに対応しつつも、ノンネイティブなため別途「Serato CLUB Kit」を購入する必要があります。そのミキサーでSeratoを使用するDJ全員が買う必要があり、クラブにSerato用として置くには少し躊躇するところです。
しかし、この「RMX-90 DVS」はネイティブDVSコントロール対応なので、Serato DJをインストールしているパソコンなら繋ぐだけですぐにDVS機能が使用可能!そして価格がお手頃なのも大きなポイントです!!
Serato DJのDVS機能内蔵ということでもちろん期待していたんですが、実機を見てみるとUSB HUBまでついています!
私はこれにすごく感心しました!
というのも、つい最近Serato DJをCDJのHID接続で使用しているDJがいたんですが、USBポートが足りないので、毎回USBハブを持ち歩いているということでした。
※HID:対応機種であればアートワークや波形表示など大容量データの送信が可能な規格。例えば、HID対応DJプレーヤーであればタイムコード/コントロールディスクを使う必要がありません。またMIDIコントローラーとしても機能する製品もあります。
HIDモードでSeratoを使おうとすると、オーディオインターフェイスと、CDJ2台をパソコンにつなぐ必要がありますので、最低でもUSBポートが3つ以上必要になります。
昨今のMacBookにはUSBポート2つのものが多いですので、どうしてもUSBハブが必要になってしまうようです。
それが、RMX-90 DVSなら
Serato DJにCDJ2台をHID接続して、Serato用のコントローラー「DDJ-SP1」なども接続可能なんです!!
HID接続の場合、Seratoの曲リストもCDJ側に表示されますし、コントロールCDなども不要で、CDの残り時間なども気にしなくて良いのでオススメです。
ただ、今回はCDJのファームウェアのバージョンアップが必要でした。CDJのHID接続に対応している機器なのにうまく接続できない場合はCDJのファームウェアを確認してみてください。
LPF/HPFサウンドフィルター!キレの調整も可能
最近のDJ機器ではデフォルトになってきた感もあるマニュアルフィルターです。これがあるのとないのではミックスのやりやすさが大きく変わってきますね。
使ってみると、PioneerDJの SOUND COLOR FX についている FILTER と比較して、少し滑らかなかかり方の印象です。「DJM-900NXS2」でPARAMETERを1メモリ下げたくらいの感じです。
もう少しレゾナンス上げれないかな~?と探してみると、UTILITYという表記があったので、押してみました。
中の方にFLT RESO(FILTER RESONANCE)という項目を発見!これでレゾナンスを調節できます。まさに、「DJM-900NXS2」に搭載されているパラメーターと同じ役割ですね。
デフォルトではこれが50%になっているようです。
「DJM-900NXS2」と比較しながらレゾナンスを上げていくと、70%くらいが大体同じくらいのレゾナンス値になると思います。
ISOLATORにはクロスオーバー!?
次はEQ/ISOLATOR。普通のミキサーだろうな~。と思っていたんですが、これもすごかった!
まず、KILL/CLASSICのスイッチで、ISOLATORとEQのモードを切り替えることができます。
EQのカーブや特性なども良く、音質も低音が出る感じで気持ちいいです
さらに!
先ほどのFILTERのところでご紹介した、UTILITYモードの中に、LOとHIのISOLATORのクロスオーバー周波数を設定できる項目がありました。
デフォルトでは、HIは4KHz、LOは250Hzに設定されていました。
クロスオーバーとは、例えばLOWならLOWとMIDのISOLATORがどこの周波数から分岐するかのポイントになります。例えば、LOWをカットしたときにボーカルをもう少し残るようにクロスオーバー周波数を下げるとか、MIDを下げた時にLOWが少し減るからクロスオーバー周波数を上げるとか、自分好みの設定に変更が可能です。
もちろん、デフォルトの状態で良い感じに分離されていましたよ。
12種類のBeat FXを内蔵
ミキサーの右下あたりにあるBeat FXです。SOUND FXと何が違うかというと、SOUND FXは手動でかかり具合を調整しますが、Beat FXはビートに合わせて自動的にかかり方が変化していくエフェクターです。
一番上のこのつまみを回すと
右上のディスプレイに選択されているエフェクターが表示されます。
- Flanger(フランジャー)
- Delay(ディレイ)
- Echo(エコー)
- Reverb(リバーブ)
- Transformer(トランスフォーマー)
- Pitch Shift(ピッチシフト)
- Loop Roll(ループ・ロール)
- Reverse Loop(リバース・ループ)
- Noise(ノイズ)
- Bitcrusher(ビットクラッシャー)
- Gate(ゲート)
- Tape Delay(テープディレイ)
の計12種類のエフェクターが使用可能です。
FLANGERなどを使用するときは拍数での表示。
REVERBや、PITCH SHIFT、BIT CRUSHER、GATE、TAPE DELAYの時は%表示です。
Reverbはクラブ等でたまに見かける、100%にして効果音のようにして使う掛け方はできませんでしたが、Pitch Shiftや、Bitcrusher、GATE、TAPE DELAYはSOUND FXに近い感覚で使用可能でした。
AUX端子がほぼ5CH目の役割に
パネルの左上についているこのAUX入力にも少し驚きました!背面ではなく、上についているので抜き差しがやりやすいのももちろんですが
AUX入力用のボリュームや、LOW/HIのEQまで搭載しています!さらに、ヘッドホンでのCUEにも対応していますので、クラブでDJコントローラー持ち込みの方や、SeratoからSeratoへの入れ替え時の曲などの一時的な入力にとっても便利です!
クロスフェーダー、ボリュームフェーダーもプログレード!
RELOOPのミキサーの、このカッコイイつまみのロゴ刻印が印象的です!
クロスフェーダーとボリュームフェーダーのカーブ調整も可能です。スクラッチ大好きな私でも満足できるクロスフェーダーの切れ味です。
さらに、別売のRMX Innofaderへの交換も可能です。
などなど、いろいろ書きましたが
- USB HUBも搭載したSerato DJオーディオインターフェイス内蔵
- 充実のエフェクター機能
- クロスオーバーまで設定可能なアイソレーター
- 5CH目の役割にもなるAUX入力
と、このRMX-90 DVSはクラブへの設置ミキサーとしてもとってもオススメです!
DJ.デジタル楽器アドバイザー 萩尾(はぎお)
2001年のDMCのビデオ映像に衝撃を受け、バトルDJを志す。
その後すぐDJバトルを企画し、10年以上定期的にDJバトルをプロデュース。
現在もいろんな大会を企画しています。DJ機材に関して日々追求を続けておりますので、DJ機材に関することなら何でもご相談ください。