少し前に登場してRedBull Thre3 Styleや、DMC等のパフォーマンス系のDJの間で話題になっている「 DJM-S9 」。このミキサーの隠された機能をハギオがご紹介します!
DJM-S9とは?
まずは、「DJM-S9」のポイントを簡単にご紹介します。
ポイント1 パソコンが2台つながる!
「DJM-S9」はパソコンと直接繋いで、Serato DJのDVSが使えるミキサーです。
USB端子を2つ搭載し、パソコンが2台繋げられるというのがポイントです。
パソコンが2台つながると、クラブなどで、DJの入れ替わりがスムーズにできるわけです。
普通なら、パソコンを差し替えるときに1曲アナログレコードなどを挟まないといけないですが、DJM-S9なら、パソコンから別のパソコンの曲にスムーズに繋ぐことができます!
ポイント2 シンセサイザーも内蔵
Serato DJ用のコントローラーが搭載されていて、使いやすさも抜群です。
面白いのは、エフェクターにシンセサイザーも内蔵しているという点でしょう。
Pioneer DJよりYouTubeに上がっている動画でシンセサイザーを使っていますので、チェックしてみてください。
(約2:00の辺りからのプレイです。)
スクラッチもジャグリングにも最高!
MAGVEL FADERをご紹介
さて、ここからが本題です。
Pioneer DJのミキサーのラインナップで唯一クロスフェーダーに「 MAGVEL CROSS FADER PRO (マグベル・クロス・フェーダー プロ)」を採用している「DJM-S9」。こちらが凄すぎたのでご紹介いたします。
ちょっと太めなフェーダーで、つまみやすい!
試しに、「 DJM-900SRT 」のフェーダーと比較してみました。(右がDJM-900SRTのフェーダー)
明らかに「DJM-S9」のつまみの方が太いですね。多くのパフォーマンスDJの意見を取り入れつまみを大きくしたようです。
実際使ってみると、やっぱりつまみやすい!!スクラッチを多用するDJの場合、つまむ-離すの繰り返しが多いので、ちょっと太めのフェーダーの方が移動距離が短くて済みます。
フェーダーのカットラグが何と0.3mm!!
フェーダーのカットラグというのは、フェーダーの一番端のところから、音が出る位置までの無音部分のことです。
これが、「 DJM-S9 」の場合0.3mmまで小さくすることができるんです!!
いろいろ試してみたところ、2mm以下にするとほとんどのスクラッチで違和感無くスクラッチできますが、ここまで細かくできるのは、クラブスクラッチなどもっとシビアなスクラッチをやる方にも安心です。クロスフェーダーによって、技が制限されるのはイヤですよね!
逆に、ジャグリングをやる方だと切れすぎると困る場合もあるので、カットラグを広くもできます。
フェーダーの重さも調整できます!
クロスフェーダーの重さも調整可能です!
スクラッチを多用するDJなら、軽い方がやりやすい方が多いのですが、ジャグリングをやるDJや、スクラッチをやるDJの中にも少し重めの方がやりやすいという方もいますので、これはかなりありがたい機能ですね。inno Faderなど、重さを調整できるクロスフェーダーもありますが、ミキサーのフロントパネルのつまみで気軽に調整可能なのは「 DJM-S9 」以外に、Pioneer の旧製品「 DJM-909」「 DJM-707 」しかありません。
安心のロック構造!
※注- DJM-S9のフェーダーのつまみを無理やり外そうとしないでください。
フェーダーのつまみを外すには、先の細めのマイナスドライバーなどでフェーダーの真ん中の白い部分を上に上げてみてください。
そうすると、白い部分のみ外れます。
白い部分が外れたらつまみを外すことができます。
ここに、もうひとつパーツがあり、全部で3つのパーツからできています。
DMCなどのDJバトルでも、フェーダーのつまみが飛んでいってプレイに支障をきたしたことがこれまで何度かありましたが、DJM-S9を使えばプレイ中フェーダーが飛んでいったりすることはまず無さそうですね!
フェーダークッションの変更でジャグリングに最適に!
先ほどのフェーダーつまみを外す要領で、真ん中のボタンより下のつまみを全て外し、ネジも外してみます。
パネルを外すとクロスフェーダーの両サイドと、右上辺りに何かついているのが分かります。
クロスフェーダーの両サイドには、ゴムのようなクッションが取り付けられています。
始めについているデフォルトタイプのモノは標準タイプです。程よく弾力性があります。
右上には、ハードタイプが2セットと、ソフトタイプがストックされています。
ハードタイプはカチカチのプラスチックのような感じです。
ソフトタイプはデフォルトのものよりもやわらかい素材です。
- ハードタイプ=カチカチ音が大きく、跳ね返りが強い。人によってはこちらの方が使いやすいかもしれません。
- デフォルトタイプ=私は一番スクラッチがやりやすく感じました。カチカチ音も小さく、程よい跳ね返りです。
- ソフトタイプ=跳ね返りがほぼ無く、ジャグリングにオススメ!
こちらのフェーダークッションの違いを動画にまとめてみました。
私がびっくりしたのは、この動画の最後のソフトタイプ!
これはかなりジャグリングなどをやるDJに最適なクッションではないでしょうか!?しかもフェーダーの重さも調整可能ですので、ちょっと重くすれば更に跳ね返りが少なくなります!(動画では一番軽く設定していました。)
いかがでしたでしょうか?
重さやカットラグの調整ができることは知っていても、フェーダーのクッションを交換できることは知らない方のほうが多いのではないでしょうか?これからRedBullや、DMCなどの大会がスタートして盛り上がるDJシーン。パフォーマンス系のDJに取り入れてもらいたいDJミキサーです。特に跳ね返りの少ないやわらかめのクッションはぜひ試していただきたいですね!
デジマート ⇒ DJM-S9
DJ.デジタル楽器アドバイザー 萩尾(はぎお)
2001年のDMCのビデオ映像に衝撃を受け、バトルDJを志す。
その後すぐDJバトルを企画し、10年以上定期的にDJバトルをプロデュース。
現在もいろんな大会を企画しています。DJ機材に関して日々追求を続けておりますので、DJ機材に関することなら何でもご相談ください。
アナログターンテーブルやCDプレイヤーで、パソコン内の音源をバイナル(レコード)やCDで操作することができます。
※ タイムコード信号が刻まれた特殊なバイナルもしくはCDを使用します。