こんにちは、梅田ロフト店DJ・デジタル機器担当の阪口です。
今回はオーディオケーブルごとの音質の違いを検証しようと思います。
オーディオケーブルを変えることで音質が変わる、ということは当店でもギターやベースのシールドが種類豊富に販売されていることもあり、ほとんどの方が認識されていることと感じています。
当店ケーブルコーナー↓
しかしながら中には数万円するものもあり、エフェクターや機材が複数ある場合は当然複数のケーブルが必要ですのでそんなに何本も購入することはできない、、といった悩みを抱えていらっしゃる方も多くいらっしゃると思います。
そこで比較的安価ですがハイエンドケーブルにもひけを取らないケーブルを数本ご案内したく思い今回の記事を作成しました。
前の記事でも記載しましたが、ケーブルについては値段が高い物の中には良質な物も多くありますが、値段が高いから良い、という物では決してなく、ケーブルを選ぶポイントとしては自分の求めている音質に近づいているか、ということと高音がきつ過ぎたり低音が被りすぎていたりせずに欲しいところがきちんと出ていてバランスが取れているか、ということと私は考えています。
今回比較するケーブルは下記の通りです。
¥1,000汎用ケーブル
MOGAMI 2549
MOGAMI 2534
BELDEN 8412
BELDEN 88760
NEUMANN
なんだ定番のケーブルじゃん、と言われそうですが、上記のケーブルは比較的音の癖が少なくナチュラルに生っぽく音を出してくれ、かつ一つ一つしっかりと特性がありますので、音作りがし易く非常に使いやすいケーブルと考えます。
価格も比較的安価ですので複数本所有して、例えばメインミキサーとオーディオインターフェースの間等の「ここぞ!」というところにハイエンドケーブルを使用すると非常に効果的な場合もあります。個性の強いハイエンドケーブルを複数本使用すると音の傾向が偏りすぎて高音がきつくなったりすることもありますので上記のケーブルを複数本使用することで調整するぐらいがちょうど良い時もあります。。
さて今回はElektron Analog RYTMから同じトラックを各ケーブル経由でUniversal Audio Apollo8につなぎ、Steinberg Cubase Pro8でレコーディングをした音で比較をします。
Elektron Analog RYTM
Universal Audio Apollo8
Steinberg Cubase Pro8
それでは¥1,000汎用ケーブル、MOGAMI 2549、MOGAMI 2534 赤、BELDEN 8412、BELDEN 88760、NEUMANNの6種類のケーブルで音の違いを聴き比べたいと思います。今回も分かりやすくするために前回の電源ケーブル比較の際に使用した2種類の音源をそれぞれのケーブルのレコーディング時に使用しています。
比較用音源 ¥1,000汎用ケーブル 使用時レコーディング音源
少し音像がぼやけており、音の抑揚も少なくのっぺりとした印象です。。
トラック1
トラック2
比較用音源 MOGAMI 2549 使用時レコーディング音源
いかがでしょう?先ほどの汎用ケーブルと比べると音圧が上がり、音の輪郭もかなりクリアになりましたね。音の傾向としては比較的柔らかくフラットで使いやすいケーブルだと思います。
トラック1
トラック2
比較用音源 MOGAMI 2534 赤 使用時レコーディング音源
MOGAMI 2549と似て柔らかくフラットですが、2549よりも明るくパワーのある印象です。
トラック1
トラック2
比較用音源 BELDEN 8412 使用時レコーディング音源
かなり低音のパワーが上がってガッツのある感じです。
トラック1
トラック2
比較用音源 BELDEN 88760 使用時レコーディング音源
8412のパワー感を保ちつつ中高音が奇麗に出ている印象です。ただ低音のパワー感は8412の方が上ですかね~
トラック1
トラック2
比較用音源 NEUMANN 使用時レコーディング音源
他のケーブルと比べると落ち着いた印象ですが、中高音がかなり生っぽく柔らかくて綺麗に出ている印象です。音の粒が綺麗に出ていますね。
トラック1
トラック2
総評
今回聞き比べをした汎用ケーブルを除く5種類のケーブルは一番安いケーブルと一番高いケーブルの価格差が2倍以上開きがあるものの、それぞれ特徴が違う為どれが一番良いということは言えないと考えます。
しかしながら汎用ケーブルと他の5種のケーブルを聞き比べるとやはり明らかな違いがありますので、音にこだわりたいとお考えの方はこちらの5種の中から音の好みに合うケーブルを選んで、徐々にご自身のセットに組み込んでいただければまず間違いなくクオリティは上がると確信しております。
例えば私はテクノを好んでDJで流したり作ったりするのですが、低音がしっかり出てガッツがあり、多少荒削りでも生っぽくてパワーのある音が好きですのでBELDEN 8412は昔からよく使用しており、現在は数メートル自宅にストックして必要に応じて適当な長さに切って使用しています。
しかしながらBELDENの8412や88760はケーブル自体が硬く状況によっては扱いにくい場合もありますので、ライブやスタジオ練習の際はモガミやNEUMANNを使用したほうが持ち運びやセッティングは快適に進められると思います。音質自体もそれぞれ全く違う良さがありますので、いろいろと試してみて自分に合うケーブルを見つけていただければと思います。
今回の記事のコンセプトは「自分のメインケーブルを見つけよう!」ということで取り掛かりましたので、比較的安価で柔らかくフラット、クオリティも高くさまざまな用途で使い回しが利くケーブルを比較しました。今後もさまざまな価格帯の個性の強いケーブルについても検証していこうと考えていますので、またチェックしていただけると幸いです。。
以上です、、最後まで読んでくださりありがとうございました!
梅田ロフト店デジタル担当 阪口(さかぐち)
DJ歴20年、現在も現役DJで活動をしているDJ専門スタッフの阪口です。
今までクラブイベントや野外イベントでDJ、バンドのトラックメイカー、オーガナイザー等々色々と活動してきましたので、DJに関する事なら何でもご相談下さい。