こんにちは、梅田ロフト店スタッフ兼ボカロPのみなみです。
今回で最後となるこのシリーズ、。ラストは「ディレイ、リバーブ」をご紹介したいと思います。
そもそもディレイ、リバーブってなに?という方はコチラ
【今さら聞けない用語シリーズ】リバーブとディレイ、エコーの違い
ではまずディレイから見てみます。
いつもは私邪道ですがインサートで掛けてます。ですが今回、FXチャンネルというものを使ってセンドで掛けていきます。
FXチャンネルとは:あらかじめ別でエフェクトだけのトラックを作ることで複数のトラックにエフェクトを送ることができます。
いわゆるセンドと呼ばれるエフェクトの掛け方です。
本来ディレイやリバーブは、このセンドで掛けていくのがセオリーです。
Cubase8のMono delayです。(AI7以降より付属)
こちらはCubaseのSteleo Delayです。(Artist8以降に付属)
各パラメータと共に簡単に説明します。
Delay(ディレイ)
遅れる音の種類を選択します。(例えば4分音符でディレイを掛けて欲しい場合はここを4分の1にすると4分音符で鳴ります。)
syncボタンを押すことで、現在のプロジェクトのテンポと同期するので、初心者の方はまずこのボタンを押してみましょう。
Feedback(フィードバック)
遅れて発生した音が、どのくらいの時間鳴り続けるかを決めるパラメータです。
あまりFeedbackを上げ続けるとどんどん音が重なってしまうので注意。(ハウリングの原理で、音がループし発振状態になり危険です)
Lo-Hiフィルター(ロー、ハイカットフィルター)
ディレイ音(遅れてくる音)に対し、低音と高音をカットしていきます。
低音をカットすることでディレイ音がすっきりと聞こえるようになり、他の楽器の帯域とも被りづらくなります。
Mix(Wetとも言います)
Delay音をどれだけ原音に混ぜるか調整するところです。(FXチャンネルでセンドする場合はこの部分を100%にしておきましょう。)
100%エフェクトが掛かった音を少しずつ混ぜていく事でオケにボーカルを少しずつ馴染ませていきます。
私はボーカルにディレイを掛けるときはフィードバック20以下で8分のショートディレイを薄く掛けています。
ショートディレイを掛けることでボーカルの存在感がはっきりと出てきますし、オケにもよく馴染みます。
Reverb
RoomWorks(PRO 8より付属、下位バンドルではRoomWorks SEが入っています)
続いて部屋鳴りを調整するリバーブをFXチャンネルに仕込みます。こちらもFXチャンネルで掛けるときはMixレベルを100まで上げておきましょう。
基本的にはディレイと使い方が似ています。
Pre-delay(プリディレイ)
音が鳴って残響が起こるまでの時間を調整します。
ReverbTime(リバーブタイム)
どれだけの時間残響を起こすかを設定します。
size(サイズ)
部屋の大きさを調整します。
Diffusion(ディフュージョン)
リバーブテイル(残響が減衰していって消えるまで)の密度を設定します。
width(ワイズ)
左右の音の広がりを調整します。
DAMPING(ダンピング)
残響音の音質を調整します。
リバーブは使い始めはよく分からず、適当に掛けてしまいがちです。ちなみに私は昔リバーブ全く掛けていませんでした(笑)
まだ仕組みを上手く理解できないという方は、とりあえずプリセットを選びましょう。ボーカルならプレートリバーブがオススメです。
仕組みが分かってきたら自分なりのセッティングを試してみましょう。
では,FXチャンネルの作り方をご説明します。
プロジェクト⇒トラックを追加⇒FXチャンネル
の順でトラックを作ります。
今回はRoom works(リバーブ)を入れるので、エフェクト部分にはRoom works、構成はStereoにします。(delayも同様の手順で作ります。)
リバーブ用のトラックを作りました。ではここからボーカルにエフェクトを掛けて行きます。(あらかじめFXチャンネルにはLoカットを掛けています)
赤枠に注目してください。この部分からFXチャンネルで作ったエフェクトを混ぜていきます。
ここで入力した数値分、FXチャンネルの音が混ざっていきます。
リバーブを上手く掛けるコツはとにかく「薄く掛ける」ことを心がけます。あまり掛け過ぎるとお風呂にいるようなモワモワした音になっていきますので気をつけましょう。
リバーブ&ディレイ未処理
リバーブ&ディレイ処理後
どうでしょう?少し艶がかったような声になったのがわかるでしょうか。音も自然に途切れているような印象があり、曲にも自然に馴染んでますね。
ここから一気に最終調整をしていきます。(全パラメータを若干修正)
2MIX(微調整後)
ハモリも入れました。これでミックスは終了です。
全4回に渡るミックス編、どうでしたか?本当にボカロは面白いもので、べた打ちでも上手く歌わせていても、ミックス次第で印象がガラリと変わってしまいます。私はこのミックスこそがボカロ調教の中で一番大切なことだと思っています。ここで崩れてしまうと、聴き手はがっかりしてしまうでしょう。今回はCubaseの中だけのプラグインを使ってミックスをしましたが,やはりプラグインに力を注いでいるWAVES等のプラグインは本当にいいものです。それぞれが独特の癖みたいなものがあるのでいろいろ使って、自分に合ったプラグインを探してみてください。
梅田ロフト店デジタル担当 南(みなみ)
現役ボカロPとしても活動している南です。ボカロ、作曲に関することならお任せ下さい。
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