「ローランドのフラッグシップ・シンセ「JD-XA」レポート(写真を元にスペック推測してみました)」記事でお伝えしていたローランドのシンセ「JD-XA」がミュージックメッセ2015にて正式発表されました!
今回正式に発表されたスペックは以下のとおりです。
- 新開発のモノフォニック・アナログ・シンセを4パート分搭載、Poly Stack時には4音のポリフォニック・アナログ・シンセとして使用可能。
- SuperNATURALシンセ・エンジンによる4つのデジタル・パート。
- デジタル・サウンドをアナログ・フィルターで加工するなど、フレキシブルなルーティングを実現。
- 各パートに1系統のMFX、マスター段に掛かる2系統のTFX、リバーブ、ディレイ、マスター EQ。
- パターン・シーケンサーは、内蔵音源8パートに加え、外部音源も8パートまでコントロール可能。
- USB、MIDIに加え、CV/GATE アウト端子を2系統装備。
- マイク入力を使い、ボコーダー・サウンドの演奏や、音声でリアルタイムに音色を変化させることが可能。
ほぼ推測記事どおりの仕様となっております。
アナログのダイレクトアウトと、MIDIのIN、OUTとは別にCV OUTとGATE OUTが各2系統装備されているのは注目すべき点かと思います。
2015年5月13日に行われた新製品発表会会場で展示されていたJD-XA(内部の基板が見えるようになっております)
コチラがアナログシンセパートの基板(特注の赤色とのこと)
こちらはデジタルシンセパートの基板
以下正式発表されたスペック詳細です。
JD-XA は、アナログ・シンセならではの音の質感と、デジタル・シンセが持つ多用途性を一台に凝縮したシンセサイザー。4つのアナログ・パートは、JD-XA のために新規開発。フィルターやアンプに至るまで、すべてがアナログ回路によるサウンド。デジタル回路を一切通さずに音声を出力できるドライ・アウト端子も装備しています。4つのデジタル・パートには SuperNATURAL シンセ・エンジンを採用。煌びやかな PCM サウンドや SuperSaw 波形による分厚いサウンドなど、デジタル・シンセならではのサウンドを提供します。そしてアナログとデジタル、この 2 つのエンジンはサウンド・クリエイターの発想に応えるフレキシブルなルーティングを実現。例えば、デジタル・サウンドをアナログ・フィルターで加工する、デジタル・パートで作りこんだ音をソースとしてアナログ・パートにクロス・モジュレーションを掛ける、といった、まさに縦横無尽な音作りを可能にします。
一切の妥協を許さない、新規開発のアナログ・シンセ・パート
アナログ回路で構成される JD-XA のアナログ・シンセ・エンジンは、1 パートあたり 2 オシレーター、フィルター、アンプ、そして 4 つのエンベロープの 4 パート構成。アナログならではの切れの良い音や、非常に滑らかな変化を実現します。さらに、超高速/超低速を実現する LFO を 2系統装備。4 つのアナログ・パートをフル活用することで、アナログ・シンセ版の”Super Saw” サウンドや、Poly Stack により 4 ポリフォニックの分厚いサウンドを作り出すことができ、そのサウンドを保存することができます。アナログ・パートのサウンドは、デジタル・エフェクトで加工して出力することはもちろん、ドライ・アウト端子からデジタル回路を一切経由せずに出力することも可能です。
プロ・ミュージシャンから絶大な支持を得るデジタル・シンセ・パート
JD-XA の魅力は、単なる回顧主義的なアナログ・シンセ・エンジンの搭載だけではありません。プロ・ミュージシャンから絶大な支持を得ている音源モジュールINTEGRA-7 と同じ SuperNATURAL シンセ・エンジンを搭載し、歴代の Roland シンセ・サウンドを一挙に手に入れることができます。D-50 に代表される、アナログ・シンセでは難しいとされる倍音成分が特長な煌びやかなサウンド。JP-8000 にはじめて搭載され、あらゆる音楽シーンで定番となった SuperSaw サウンド。そして最大 64 ポリフォニックを実現したことにより、これらをレイヤーして生み出す複雑なサウンドの演奏にも対応します。また、INTEGRA-7と同じエンジンを採用したことで、サウンドライブラリーサイト Axial で公開される音色を読み込ませることも可能です。
アナログ・シンセとデジタル・シンセの柔軟な組み合わせ
新コンセプト” クロスオーバー・デザイン” が示す通り、JD-XA におけるシンセサイズは非常に柔軟かつユニークなものに仕上がっています。全 8 パートを個別に使用することも、アナログとデジタルのサウンドをブレンドして音を作り出すことも思いのままです。さらに、デジ
タル・パートをアナログ・フィルターで加工したり、デジタル・パートで作りこんだ音をソースとしてアナログ・パートにクロス・モジュレーション/リング・モジュレーションを掛ける、といったことも可能。サウンド・クリエイターのアイデアや柔軟な発想を形にすることができます。
徹底的にこだわった、アナログ・フィルター
音作りの重要な要素となるフィルターは 100%新規アナログ回路によるもの。非常に温かみのある、アナログならではの質感を得ることができます。フィルターのタイプは、クラシックな 4 ポール・タイプ、強力な個性を放つトランジスター・ラダー・タイプ、マルチ・モード・フィルターから選択可能。マルチ・モード・フィルターは LPF、HPF、BPF の特性を併せ持ち、レゾナンスを上げた状態でカットオフを動かすことで、これまでにない過激な音色変化が得られるよう設計されています
強力なエフェクト・プロセッサー
JD-XA の各パートにはサウンド・メイクに効果を発揮する MFX を 1 系統ずつ用意。音を過激に変化させるリング・モジュレーターやビット・クラッシャーなど全67 種類から選択できます。さらに各パートにはパート EQ も備えており、より緻密な音作りが可能です。加えて、マスター段に掛けられる TFX を 2 系統装備。BPMルーパーやスライサーなど、アルペジエーターやパターン・シーケンサーと組み合わせることでも効果を発揮するエフェクトを搭載しています。さらにリバーブ、ディレイ、マスター EQ は MFX、TFX とは独立して用意しています。
インスピレーションを即座に形にするパターン・シーケンサー
JD-XA には、直感的に操作して音楽を構築できるパターン・シーケンサーを搭載。リアルタイム、ステップといった入力方法を用意。録音/再生をシームレスに切り替えながらの入力も可能なので、パフォーマンスにも最適です。また、JD-XA の内部音源 8 パートに加え、外部音源コントロール用のパートを 8 つ用意。全 16 パートに対応した 16 トラックを使って、インスピレーションを逃さず次々に形にすること
ができます。
演奏性を重視した豊富なコントローラー
バックライト付きのノブ、スライダー、ホイール・コントローラーにより、ハードウェアならではの直感的な操作を実現。パネル部は歴代の Roland シンセと同様、音作りの基本に忠実なわかりやすいレイアウトを採用しています。鍵盤はベロシティ・センス、アフタータッチに応し、演奏表現力を一層高めます。外部音源のコントロール用には MIDI、USB はもちろん、CV/GATE端子を 2 系統装備。外部アナログ・シンセサイザーから DAW 上のプラグイン・シンセサイザーまで、幅広い音源をコントロールするための中核を担うことが可能です。
マイク入力によるサウンド・コントロール
JD-XA の背面にはマイク入力端子を装備。フィルターのカットオフ、クロス・モジュレーションといったパラメーターを入力した音声でコントロールすることができます。もちろん、ボコーダー・サウンドの演奏も可能。さらに、入力された音声をダイレクトに出力したり、リバーブを掛けたりすることも可能です。
様々な形式に対応するインターフェース
JD-XA には USB AUDIO / MIDI インターフェース機能を搭載。JD-XA のサウンドをUSB 経由で Mac/PC へ録音したり、JD-XAの豊富なコントローラーを使って DAW 上のソフトウェアをコントロールできます。JD-XA を介し、DAW 上に入力された MIDI情報で CV/GATE 端子に接続された外部アナログ・シンセサイザーやモジュラー・シンセサイザーなどを鳴らすことも可能です。
気になるお値段ですが・・・・おそらく二十数万円くらいになるのではないかと想像しますが、正式に決まりましたらお伝えいたします!正式なアナウンスではありませんが大体25万前後になるとのことです。
主な仕様
鍵盤:49 鍵(ベロシティー対応、アフタータッチ付き)
音源部
◎最大同時発音数:
アナログ・パート=4音
デジタル・パート=64音(音源負荷に依存して変化)
◎構成(Analog/Digital Crossover Synthesizer):
アナログ・パート= 4 パート(2OSC+1AUX、1Filter、1AMP、2Pitch ENV、1Filter ENV、1AMP ENV、2LFO、1MOD LFO)
デジタル・パート= 4 パート(3 パーシャル〈3OSC、3Filter、3AMP、各エンベロープ、各 LFO〉)※ デジタル・パートはSuperNATURAL シンセサイザーで Integra-7 互換です。
◎ユーザー・プログラム・メモリー:
インターナル= 256 ユーザーメモリー、USB メモリー= 256 ユーザーメモリー(アルペジオ、シーケンサーのパターンはプログラムごとにメモリー。)
◎ Analog-OSC 部:
オシレーター波形= Saw、Square、Pulse/PWM、Triangle、Sine
つまみ/スライダー= Pitch、Fine、Cross Mod、Pulse Width、Pulse Width、Modulation
ピッチ・エンベロープ= Attack、Decay、Envelope Depth
モジュレーション= Cross Modulation、Ring Modulation、Oscillator Sync
(A-OSC1 に A-OSC2 がモジュレーションとしてかかります)
◎ Analog-FILTER 部:
フィルター・タイプ= LPF1、LPF2、LPF3、HPF、BPF、Bypass
つまみ= Cutoff 、Resonance、Key Follow、Envelope Depth、HPF、Drive
エンベロープ= Attack、Decay、Sustain、Release
◎ Analog-AMP 部:
つまみ= Level、エンベロープ= Attack、Decay、Sustain、Release
◎ Digital-OSC 部:
オシレーター波形= Saw、Square、Pulse/PWM、Triangle、Sine、Variation
つまみ/スライダー= Pitch、Fine、Pulse Width、Pulse Width Modulation
ピッチ・エンベロープ= Attack、Decay、Envelope Depth
モジュレーション= Ring Modulation(Partial1-OSC に Partial2-OSC がモジュレーションとしてかかります。)
◎ Digital-FILTER 部:
フィルター・タイプ= LPF1、LPF2、LPF3、HPF、BPF、Variation、Bypass
つまみ= Cutoff、Resonance、Key Follow、Envelope Depth、HPF
エンベロープ= Attack、Decay、Sustain、Release
◎ Digital-AMP 部:
つまみ= Level エンベロープ= Attack、Decay、Sustain、Release
◎ LFO 部:
LFO 波形= Triangle、Sine、Saw、Square、Sample&Hold、Random
つまみ/スライダー= Rate、Fade Time、Pitch Depth、Filter Depth、Amp Depth
テンポ・シンク機能
◎ミキサー部(アナログ・パート用):レベル= A-OSC 1、A-OSC 2、AUX
AUX(White Noise、Pink Noise、Digital Part、MIC)
◎マイク部
Vocoder、MIC Modulation
◎エフェクト:
マルチエフェクト= 8 系統、67 種類(各パートに 1 系統)
パート EQ = 8 系統(各パートに 1 系統)
トータル・エフェクト(TFX)= 2 系統、29 種類
○ディレイ:リバーブ= 6 種類
○マスター EQ:マイク・インプット・リバーブ= 8 種類
●パターン・シーケンサー:トラック数= 16(プログラム毎に保存、SMF インポート対応)
●アルペジオ:プリセット・パターン= 64(プログラムごとに保存)
●コントローラー:ピッチ・ベンド/モジュレーション・レバー、ピッチ/モジュレーション・ホイール
●ディスプレイ:16 文字 2 行キャラクター LCD
●外部メモリー:USB メモリー
●接続端子:
PHONES 端子=ステレオ標準タイプ、MAIN OUTPUT 端子(L/MONO、R)= TRS 標準タイプ、ANALOG DRY OUTPUT 端子=標準タイプ、CLICK OUTPUT端子=ステレオ標準タイプ、MIC 端子=コンボ・タイプ(XLR、TRS 標準)/バランス、FOOT PEDAL 端子(CTRL 1、CTRL 2、HOLD)、CV/GATE OUTPUT 端子(2 系統)=ミニ・タイプ(CV:OCT/V に対応しています〈Hz/V には非対応〉。GATE:+5V を出力します。)
◎ MIDI 端子(IN、OUT)
◎ USB COMPUTER 端子(USB Hi-Speed AUDIO / MIDI 対応):USB B タイプ(パソコンの USB 端子と USB ケーブルは、USB 2.0 Hi-Speed 対応のものをお使いください。)
◎ USB MEMORY 端子:USB A タイプ
◎ DC IN 端子
●電源:AC アダプター
●消費電流:3,000mA
●外形寸法:899(幅)× 388(奥行)× 111(高さ)mm
●質量(AC アダプターを除く):6.5kg
●付属品:取扱説明書、AC アダプター、電源コード、保証書、ローランド ユーザー登録カード
●別売品:キーボード・スタンド=KS-18Z、ペダル・スイッチ= DP シリーズ、エクスプレッション・ペダル= EV-5、USB メモリー
発売日
2015年7月18日(土)
販売価格
JD-XA (税込) ¥275,000 (税抜 ¥250,000) 価格改定(2016年9月24日~): (税込) ¥203,500 (税抜 ¥185,000)
JANコード:4957054506223
AIRAシリーズとJD-XAを同期させた素晴らしい即興パフォーマンスです〜 pic.twitter.com/StMkQYlCmg
— 島村楽器商品担当 (@shima_md) 2015, 5月 13