MIDIの誕生
MIDI(ミディ、Musical Instrument Digital Interface)というのは、電子楽器の演奏データを機器間でデジタル転送するための世界共通規格です。1983年に日本のMIDI規格協議会(JMSC、現在の社団法人音楽電子事業協会)と、国際団体のMIDI Manufacturers Association (MMA) により誕生しました。
MIDIの誕生がどれだけ画期的だったかというと、たとえばAというシンセと、Bというシンセを「MIDIケーブル」でつなぐとあら不思議!「Aの鍵盤を弾くとBも鳴る!」のです・・今では誰も驚いてくれませんが・・・
で、これが噂のMIDIケーブル(現在も販売されていますよ!)
当時のシンセは1台で2音色同時に出すなんてことはできませんでしたので、このシンセはオルガン、あっちはブラスといった使い方だったわけです。当然オルガンとブラスのユニゾンフレーズはそれぞれのシンセを左右の手で弾くわけですね。
ところがこのMIDIケーブル接続では「ユニゾンが片手で弾ける!」というわけです(遠い目)。
しかし、現行のシンセにもちゃんとMIDI端子はついています(最近はUSB端子しかないという機種もありますが)。
このMIDI端子同士をMIDIケーブル2本でそれぞれのMIDI端子のINとOUTを繋ぐと、Aを弾けばBも鳴り、Bを弾けばAも鳴ることになります(後述するMIDIチャンネルが合っていれば)。また音色切り替えボタンを押して一方のシンセの音色を切り替える、といったこともできます。
イベント「Think MIDI 2015」会場で展示されていた、1983当時のJupiter-6とProphet-600のMIDI接続デモの再現。
MIDI THRUという端子を使えばINに入ってきた信号を「スルー」しますのでさらにもう一台を接続することができます。
AのOUT ⇒ BのIN、BのTHRU ⇒ CのIN
これを繰り返すことで好きなだけシンセを数珠つなぎに接続可能のように思われますが、実際には遅れやデータ・エラーが生じるおそれがあるのでほどほどにしないといけません。