【録れコン2017】リプロダクションレポート「odasis」氏コメント

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odasis氏コメント

【振り返り・所感】

初めて応募したのが2015年のこと。今回が3度目のチャレンジになる「録れ!録れ!コンテスト」略して「録れコン」。神戸三宮店で参加したライブコンテスト「HOTLINE2014」が島村楽器のイベントに参加するきっかけでありました(ギターの試奏中にスタッフに声をかけて頂いたことを記憶しています)が、それが3年後にこのような素晴らしい機会に繋がるとは…20回以上の伝統を持つ全国最大級コンテストでのグランプリという名誉と、リプロダクションという素晴らしい特典、そしてここに至るまでの全てのご縁にまずは心より感謝申し上げます。

プロの手によって自分の楽曲がどう変わっていくのかを見てみたいという興味もあり、アレンジの方向性は全面的にお任せする形で当日を迎えましたが、アーティストとしての「odasisらしさ」を逆に教えて頂いたような、新しい発見と充実感に溢れるリプロダクションとなりました。若輩者ながらも音楽を作る際には心がけていることがあります。それは「遊び心を持つ」こと。

聴き手を飽きさせない、時には思わず「なんでやねん!」とツッコミたくなるような遊び心こそ、大阪出身の自分らしい工夫だと信じて制作に励む日々ですが、今回のリプロダクションでは限られた事前情報にも関わらず、そんな自分らしさを十二分に汲み取って頂けたと感じています。

  • ドラムのケースを叩く
  • 一斗缶をブラシで擦る
  • 道具箱をひっくり返す…

パーカッションの岡部さんはびっくり仰天な方法で録音を重ねていきますが、その全てが普通の楽器では代用できない明確な意図を持ったもの。鎌田さんのきめ細かいエンジニアリングによって見る見る楽曲に馴染んでいく様子は文字通りのアハ体験です。

そして、ワクワクが止まらない現場でのやりとりの中で、リプロダクション前には忘れてしまっていた当時の自分の想いや描きたかったことが蘇るような感覚がありました。当時の記憶から「ここに意外性のある面白い効果音を入れたいです!」などと思いつきが口から飛び出ることもありましたが、そんな些細なアイデアにも耳を傾けて頂き、曲に馴染むような形で音にして頂けました。ギターのピッチ修正などの細部に至る丁寧な処理とともに、「一生もの」の楽曲に仕上げて頂けたこと、本当に嬉しく思います。

自分のツメの甘さ、第一線で活躍される方々の高いプロ意識、誰かと一緒に作るという純粋な面白さや満足感…得たものは数え切れません。このような貴重な機会を頂けたことに改めて深く感謝いたします。

【技術面で学んだこと】

・アナログ的なアプローチ

アナログコンソールでの意図的なクリッピングによるサチュレーション、複数のセンドトラックを組み合わせた空間処理など、「点」ではなく「面」で捉えたアナログ的なアプローチを具体的な方法とともに学ぶことができました。

・デジタルに音を処理する上でのノウハウ

毎度悩んでいたナイロン弦のギターの処理においては異なる処理を施した複数トラックを使うという方法を、空間の使い方においては位相反転を有効活用するなど、DAWでの処理における具体的で有用なノウハウを多数教えて頂くことができました。

【最後に】

終始遊び心に溢れるリプロダクションでありましたが、そんな遊び心にもそれを下支えする高い技術と妥協のないプロ意識があるのだと改めて痛感し「もっとがんばろう!」そう素直に思えるとても良い機会でありました。「録れコン」が音楽家の腕試しの場として、そしてプロとのコミュニケーションの場として、これからも永く続いていくことを強く願います。

本当にありがとうございました!!

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